地下要塞に繋がる薄暗いスロープと階段。 螺旋状に構成されているソレは、視界の悪さも相俟って冥府への入り口を連想させる。 月島拓也とその仲間達は、一路『ラストリゾート発生装置』を目指し、まずは地下要塞内部に侵入しようとしていた。 拓也が懐中電灯片手に、焦りの隠しきれぬ声で毒づいた。 「クソッ、思ったよりも深いな……。このままじゃ、決戦に間に合わなくなってしまうかも知れない……」 「お兄ちゃん、気持ちは分かるけど落ち着こうよ。焦っても何にもならないよ」 「あ、ああ、そうだな……すまない」 長森瑞佳は焦燥に駆られる拓也を窘めたものの、焦っているのは彼女もまた同じであった。 リヤカーを引きながらの行軍は、予想以上に速度が緩慢なものとなってしまっていた。 その上地下要塞がかなり深くにあった為、予定よりも到着が大幅に遅れそうだった。 要塞内部に先行した同志達が全滅したら、その時点で勝ち目は無くなってしまうだろう。 戦力の温存・荷物の輸送に用いているリヤカーを置いて行く事は出来ないが、可能な範囲で急がなければならない。 そうやって歩いていると、やがて前方に大きな鉄製の扉が見えてきた。 拓也は後ろを振り向き、扉の向こう側に聞こえぬよう小さな声で呟いた。 「……この先で敵が待ち伏せしている可能性もある。どうする?」 確信があった訳では無いが、相手が侵入してくる瞬間を狙うのは待ち伏せの常套手段。 だからこその懸念だったが、鹿沼葉子はリヤカーを飛び降りて、まるで臆する事無く扉に手を掛けた。 「安心してください。向こう側から人の気配は感じられない――このまま進んでも平気でしょう」 「え? 何で――」 柚木詩子が、「何でそんな事が分かるのか」と問い掛けるのを待たずして、葉子は扉を押し開ける。 葉子の言葉通り、扉の向こう側に敵の姿は一つとして認められなかった。 葉子は呆然とする一同に背を向けたまま、一人足を進めてゆく。 いつまでも立ち尽くしている訳にも行かず、拓也達は慌てて葉子の後を追った。 その最中、拓也は思う。 (やはり……この女も異能者の類か。制限されている環境下では……恐らく僕以上の力を持っているだろう) 自分とて毒電波使いではあるし、坂上智代も修羅場慣れしているらしいが、扉の向こうに誰も居ないという確信は持てなかった。 今の索敵能力、これまでの的確な判断などを併せ考えれば、葉子の実力はメンバー中最高であると言わざるを得ない。 ならば、と拓也は消防斧を取り出し、葉子に差し出した。 「拓也さん、これは?」 「僕には他の武器があるし必要ありません。これは葉子さんが使ってください」 「……私を信用して下さるのですか?」 「悪いけど……完全に信用した訳じゃありません。ただ今の僕達には、一人でも多くの戦力が必要だ」 それで、間違いない筈だった。 対主催の姿勢を見せている葉子が裏切る可能性は、決して高いものでは無いだろう。 ならば武器を貸し与えて、優れた戦力として共闘する方が良いに違いない。 特に文句をつける者もいなかったので、そのまま拓也達は黙々と要塞内の通路を進んでいく。 「おかしい。敵の本拠地なのに、余りにも静か過ぎる……」 「智代、逆に考えるんだよ。『敵があたし達を恐れて逃げだした』と、考えるんだよ」 訂正。時折詩子が軽口を叩いたりもしたが、一向に敵は現れない。 道中には特に罠も無く、このまま順調に進んでゆく事が出来るかと思われたが―― 曲がり角付近まで進んだ時に、それは起こった。 「まず――伏せなさいっ!」 「……え? えぇっ!?」 何の前触れも無く、突然葉子が叫んだ。 瑞佳と詩子はまるで反応出来ず、ただ立ち尽くすのみ。 だが拓也が瑞佳の頭を、智代が詩子の頭を押さえ、無理やり屈ませた。 直後、鳴り響く轟音。 「えっ――――!?」 詩子が驚愕に大きく目を見開く。 それも当然だろう――すく傍にあったリヤカーが、一瞬で砕け散ったのだから。 詩子はかつてない戦慄を覚えながら、銃声がした方へと振り返った。 何時の間にか後方に現れていた敵の姿を認めた瞬間、詩子は先に倍する驚きを覚えた。 耳に特殊な機械、左手に大きな盾、そして右手に大きな拳銃を携えた少女――かつて行動を共にしたセリオが屹立していた。 「セ……リオ…………?」 セリオは自分を逃がす為に敵と戦い、間違いなくやられてしまった筈。 事実、自分はセリオの残骸だってこの目で確認した。 それがどうして――? 有り得ない事態に、詩子の思考は完全に停止してしまう。 詩子には知る由も無いのだが、今眼前に居るのは、柳川達を襲った戦闘用セリオと同タイプの殺人兵器だった。 左手に持った強化プラスチック製大盾はあらゆる攻撃を防ぎ、右手に持ったフェイファー・ツェリスカは一撃で人体を破壊し尽くすだろう。 「……今の火力、それにあの装備――危険です。一旦退きましょう!」 葉子の決断は迅速且つ的確だった。 人数的にはこちらが圧倒的有利だが、味方が混乱したままの状態で戦うのは不利に過ぎる。 無理に即時応戦しようとすれば、一人、また一人と各個撃破されてしまうだろう。 葉子は呆然とする詩子の手を引き、曲がり角の向こう側へと逃げ込んだ。 残りの者達も葉子に倣い、その後を追う。 角に隠れた詩子が、悲痛に表情を歪めながら、震える声を漏らした。 「セリオが……あたしを助ける為に死んだセリオがどうして……生き返って……しかも、襲ってくるのよ……」 「詩子さん、良く考えて下さい……HM-13セリオは市販されており一般家庭にすら出回っています。 あのセリオは名簿にあった物と別――つまり、主催者の手先でしょう」 「あ――そっか……」 言われてようやく、詩子は現状を理解した。 自分が行動を共にしたセリオは、一般市場に出回っている物の試作型であった筈。 ならば同じ容姿を持った機体が現れたとしても、なんら可笑しくは無かった。 詩子が落ち着いたのを確認してから、葉子は続ける。 「しかもあのセリオは、市場に出回っているのとは段違いの性能だと思います。 大型拳銃を片腕で使いこなす膂力は、明らかに規格外。盾も持っているようですし、無策で挑むのは自殺行為です」 葉子の言葉に、一行は例外無く頷いた。 自分達は拳銃を僅か一丁しか持っていない以上、単純な銃撃戦であのロボットを倒すのは不可能だ。 となれば、戦い方を工夫する他無い。 葉子は全員を近寄らせて、囁くように作戦を語り始めた。 「私達が唯一あのロボットに勝っているのは、人数です。そこで――」 ・ ・ ・ 作戦は単純且つ明快なものだったので、20秒足らずで説明と準備は終わった――正確に言うと、終わらせざるを得なかった。 こちらの作戦会議が終わるのを、敵が親切に待ったりしてくれる訳が無いのだから。 手早く必要な装備の分配を終え、役割分担を決め、後は行動に移すのみ。 迷っている時間も、竦みあがっている時間も無い。 故に先鋒をきるのは、一番度胸が必要な役目に就くのは、元より非日常の世界に生きる人間――鹿沼葉子しか有り得ない。 「……行きます」 ひどく簡素な言葉を遺して、葉子は消防斧片手に角の向こう側、即ちセリオが待ち受ける死地へと飛び込んだ。 改心したという訳では無い。 良心などという下らぬ物よりも、生き延びる事を最優先するという考え方に変わりは無い。 生還するには殺人遊戯に拘り続けるよりも、主催者を打倒した方が良いと判断しただけに過ぎぬ。 だがだからこそ、生還への道を切り拓く為ならば、嵐にだって何の躊躇も無く身を投じれる。 セリオに銃口を向けられた瞬間、不可視の力も上乗せした刹那のサイドステップで横に跳ねる。 思ったよりも足の状態は回復しており、常識外れの速度を出す事が出来た。 直後、フェイファー・ツェリスカが火を噴いたが、荒れ狂う銃弾は只唯空を切るばかり。 しかし葉子とセリオの距離はまだ30メートル以上離れており、とても一息で詰めれる間合いでは無い。 ……ならば、必要な時間は仲間が稼げば良い。 「セリオを……セリオを人殺しなんかに使わないでよっ!」 珍しく怒りを露にした詩子が、ニューナンブM60の引き金を攣り切れんばかりに絞る。 銃を使い慣れていない所為で弾は目標――セリオの頭部から少しずれた位置へと飛んでいった。 だがセリオ側からすれば微妙な弾道のズレなど目視出来る筈も無いのだから、銃口を向けられた時点で回避行動に移るしか無い。 即ち強化プラスチック製大盾を用いて、防御の構えを取るしかない。 アサルトライフルの銃弾すら防ぎ切る大盾は、何事も無かったかのように詩子の攻撃を跳ね返した。 ……ならば、貫く事など諦めてしまえば良い。 「いっけぇぇぇぇぇ!!」 拓也は裂帛の気合を乗せた叫びと共に、専用バズーカ砲&捕縛用ネット弾のトリガーを引く。 展開されたネットは凄まじい勢いで飛んでゆき、盾ごとセリオの身体を飲み込んだ。 セリオはネットに絡め取られ、受身を取る事もままならず地面へと転がり込む。 直後、疾風と化して駆ける一つの影。 葉子は持ち前の異能力を活かし、鬼気迫る勢いでセリオに迫る。 二人の間合いは見る見るうちに縮まり、僅か数秒で零となっていた。 ようやくネットを振り解き起き上がったセリオに対し、葉子は消防斧を思い切り振り下す。 セリオは強化プラスチック製大盾でそれを防ごうとしたが、防弾性能と防刃性能はイコールで結ばれない。 唸りを上げる鉄槌により、無敵を誇った大盾が粉々に砕かれる。 しかしいくら追い詰めようとも、ロボットであるセリオが焦る事など有り得ない。 セリオは冷静に――どこまでも冷静に、フェイファー・ツェリスカの銃口を葉子に向けた。 「……ターゲットロックオン、破壊シマス」 「くうっ――!?」 大振りを終えた直後の葉子は、回避行動に移れる状態では無い。 こんな近距離で超大型拳銃を撃たれてしまえば、たとえ掠っただけでも致命傷となるだろう。 この戦いで初めて、葉子の顔が狼狽の色に染まった。 だがそこで、葉子の真横を一陣の旋風が過ぎった。 「……させないっ!!」 自分は芳野祐介を救えなかった――だが今度こそ、仲間を救ってみせる。 瑞佳の放った弓が、綺麗な軌道でセリオの手元へと吸い込まれてゆき、フェイファー・ツェリスカを弾き飛ばす。 そして葉子が第二撃の体勢に入るよりも早く、セリオが立ち直るよりも疾く、真打ちが現れた。 これまで実力を振るう機会の無かった猛虎が――坂上智代が、溜まりに溜まった鬱憤全てを目の前の敵へと打ち込む。 「――――ハァァァァァッ!!!」 その動き、その気合を目の当たりにすれば、篁や醍醐ですらも多少の驚きを覚えたに違いない。 秒に満たぬ時間で繰り出された蹴撃の数、実に五発――! セリオの性能を以ってしても、その超高速コンボを防ぐ事は適わない。 一発、また一発と打撃を受けて、セリオの動きが止まる。 そして勝負を決するべく、斧を振りかぶる女性の名は、鹿沼葉子。 「これで――――終わりですっ!!」 咆哮、そして叩き落す戦槌。 消防斧による凄まじい一撃を正面から受け、セリオの身体は肩口から大きく引き裂かれた。 そこに智代の前蹴りが突き刺さり、セリオは後方へと弾き飛ばされる。 通路の反対側の壁に衝突すると同時、破壊し尽くされたセリオの身体は爆散した。 葉子は頬に付着した汗を拭い取った後、おもむろにフェイファー・ツェリスカを拾い上げた。 「上手く行きましたね……さあ、奥へと進みましょう」 周りの者が一息つくのを待たずして、葉子は先へと進んでいく。 独断専行が過ぎる傾向はあるが――最早、鹿沼葉子は一行のリーダー的存在となっていた。 ・ ・ ・ そして智代達が目的地に辿り着いた時、最初に視界に入ったのは啜り泣く二人の少女の姿だった。 少女達のすぐ傍には、血に塗れた白衣の男が横たわっている。 そして少し離れた場所に、頭を潰された軍服の男の死体。 その光景を見た瞬間、智代は理解した――もう、決戦は終わったのだと。 智代は確認するように、葉子へと視線を送った。 「葉子さん、この死体は――」 「……白衣の男は高槻です。そしてもう片方は『狂犬』醍醐。 どうやら私達は間に合わなかったみたいですね」 「…………ッ!」 駄目押しを受け、智代はぎりぎりと奥歯を噛み締めた。 自分達はどうしようも無いくらい、遅過ぎたのだ。 今から『高天原』に急行しても、とても間に合うまい。 何しろ『ラストリゾート』攻略作戦と『高天原』攻略作戦は、ほぼ同時刻に行われている筈なのだから。 自分は最後の最後まで――大した事を出来なかったのだ。 智代は天を仰ぎ、今は亡き友人に向けて悲痛な声を洩らした。 「茜……私はこの島で……一体何をしていたんだろうな……」 ◇ ◇ ◇ 魔界の主が倒れた影響か、『高天原』を覆い尽くしていた瘴気は次第に薄れていっていた。 あれ程重苦しかった空気が、今ではすっかり心地良い物へと変わっている。 自分達は勝ったのだ。 世界経済を半ば牛耳る、そして悪神の如き力を持った篁に、間違いなく勝利したのだ。 達成感が無いと言えば嘘になるだろう。 安堵の気持ちが無いと言えば嘘になるだろう。 だが久寿川ささら達の心は、大きな悲しみと喪失感に覆われていた。 地面に横たわる、複数の死体。 穏やかな微笑を浮かべ――しかし最早二度と動かぬ屍と化してしまった柳川祐也。 首を握り潰され、身体を二つに割かれてしまった向坂環。 最前線に立ち続け自分達を守ってくれた強き二人だったが、だからこそ決戦の際に犠牲となってしまった。 そして、奇襲を仕掛けてきたものの改心し、篁と戦って頭部を砕かれてしまった水瀬秋子。 彼女もまた、身を挺して自分達を救ってくれた。 自分達は掛け替えの無い仲間達の命を犠牲にした上で、命からがら目的を成し遂げたのだ。 そのような状態で、喜んだりする気など起きる筈が無かった。 ささら達が行動を開始してから数十分後、倉田佐祐理はようやく泣き止んで、寝そべる柳川をただ見つめていた。 とても穏やかな、そして哀しい声で語り掛ける。 「佐祐理はずっとこうしていたいですけど……そしたらきっと、柳川さんは怒りますよね? 何甘えてるんだって、いつまでも感傷に浸るなって、そう言いますよね?」 柳川の両手を胸の前で組ませ、地面に落ちていた眼鏡を拾って、続ける。 「柳川さんは『どんなに苦しくても最後まであがいて生を掴み取れ』と言っていたから……佐祐理はもう行きます。 今まで有難う御座いました――また何時の日か、佐祐理がそちらに行った時にお会いしましょう……」 そう言って佐祐理は腰を起こし――もう振り返らず、ゆっくりと歩き始めた。 柳川の眼鏡を、宝物のように抱き締めながら。 ◇ ◇ ◇ 一方ささら達は『高天原』より更に奥、要塞の最深部にある情報システム制御室へと移動していた。 広い空間の至る所にモニターが設置されており、何もせずとも映像が流されてくる。 規則正しく並べた机の上には、最新規格のパソコンが置いてある。 珊瑚がハッキングで得た情報通り、此処が要塞の心臓部なのだろう。 そこで陽平達は、膨大なデータ……とりわけ、生存者と死亡者の情報を調べていた。 主催者を倒した以上後は脱出するだけだが、未だ自分達の知らぬ生き残りが居たとしたら、見捨てる事など出来ない。 だからこそ自分達の持ち得る情報と主催者側の情報を照らし合わせて、今生き残っている者が誰であるかを調べていたのだ。 調べた結果、判明した事実は二つ。 未だ自分達の知らぬ生存者――月島拓也一行の存在。 映像データによると基地内を進んでいる筈だから、暫くすれば向こうから此処に来るだろう。 そして、もう一つの事実。 「……高槻さんまで、死んでしまったのね」 久寿川ささらの沈んだ声が、部屋の中に暗い影を落とした。 ラストリゾート前で高槻一行と醍醐が行った死闘は、映像データとして残っていた。 高槻はその身を挺して醍醐に立ち向かい、刺し違える形で命を落としてしまったのだ。 「貴明さんも……先輩も……高槻さんも……みんな……皆っ…………どうしてそんなに、無茶ばかりするのよ……。 死んだら何にもならないのに……みんな……何考えてるのよっ……!」 語るささらの声は、半ば涙混じりとなっている。 元の生活で自分と面識があった人間は全て死に絶え、高槻までもが死んでしまった。 ささらにはその事実が、胸が張り裂けそうな程に悲しかった。 そこで陽平が、ささらの肩にぽんと手を置いて、諫めるように言った。 「ささらちゃん……アイツらのやった事を否定するのだけは、絶対にしちゃいけない。 河野達が岸田洋一を倒してくれたお陰で、高槻さんが醍醐を倒してくれたお陰で、僕達は今生きていられるんだからさ」 「そうだな……俺達だって……美凪とみちるに力を貸してもらえなきゃ……あの馬鹿でかい怪獣にそのままやられてたしな……」 「……そうね。あのジジイが人間に戻った後も、柳川さんが居なきゃ勝てなかっただろうしね……」 陽平の意見に、北川潤も広瀬真希も同調する。 今まで死んでいった者達の犠牲の上で、自分達は命を繋いでいるのだ。 だからこそ散った仲間達の生き様と信念は、最大限に尊重せねばならない。 「けどな」と前置きして、陽平が言葉を続ける。 「戦いは終わったんだ……。だからもう、悲しみに暮れても良いと思う。泣いても良いと思う。 今まで我慢しなきゃいけなかった分も、一杯さ……。なあ、るーこ、杏、岡崎、そうだろ? もう……我慢したりしようとしないで……思い切り……泣いても、良いよねっ……」 言い終わると同時、自然と陽平の瞳から一筋の涙が流れ始めた。 それに釣られるようにして、ささらも、北川も、真希も、泣き始めた。 一度泣き始めると、もう止まらなかった。 少女達は、これまで何度も流してきた涙を――今までで一番長い時間、流し続けていた。 本当は、まだやらなければいけない事はある。 生き残った自分達は、この島から脱出する手段――船などを探さなければいけない。 ……だけどせめて今、この時間だけは、泣かせて下さい。 【時間:三日目・13:25】 【場所:c-5地下要塞内部・ラストリゾート発生装置付近】 湯浅皐月 【所持品1:S&W M1076(装弾数:5/7)、予備弾倉(7発入り×2)、H&K PSG-1(残り0発。6倍スコープ付き)、ヨーヨー、ノートパソコン、工具】 【所持品2:海岸で拾ったピンクの貝殻(綺麗)、手帳、ピッキング用の針金、セイカクハンテンダケ(×1個)、自分と花梨の支給品一式】 【状態:啜り泣き、疲労大、両腕骨折、首に打撲・左肩・左足・右わき腹負傷・右腕にかすり傷(全て応急処置済み・多少回復)、首輪解除済み】 【目的:不明】 小牧郁乃 【所持品1:写真集×2、車椅子、要塞開錠用IDカード、武器庫用鍵、トンネル見取り図、支給品一式×3(食料は一人分)】 【所持品2:ベレッタM950(装弾数:0/7)、予備弾倉(7発入り×1)】 【状態:啜り泣き、中度の疲労、首輪解除済み】 【目的:不明】 月島拓也 【装備品:専用バズーカ砲&捕縛用ネット弾(残り0発)、メス】 【持ち物:包丁、日本酒(残り2分の1)、リヤカー、支給品一式】 【状態:軽度の疲労、やり切れない思い、リヤカーを牽引。両手に貫通創(処置済み)、背中に軽い痛み、首輪解除済み】 【目的:不明】 長森瑞佳 【装備品:半弓(矢0本)】 【持ち物:フォーク、フラッシュメモリー、消火器、支給品一式、浩平と七海の支給品一式、だんご大家族(残り100人)】 【状態1:軽度の疲労、やり切れない思い、リボンを解いて髪はストレートになっている、リボンはポケットの中】 【状態2:出血多量(止血済み)、脇腹の傷口化膿(処置済み、快方に向かっている)、首輪解除済み】 【目的:不明】 坂上智代 【装備品:手斧】 【持ち物1:38口径ダブルアクション式拳銃用予備弾薬69発ホローポイント弾11発使用】 【持ち物2:ブロックタイプ栄養食品×3、LL牛乳×3、支給品一式】 【状態:軽度の疲労、やり切れない思い、首輪解除済み】 【目的:不明】 柚木詩子 【装備品:ニューナンブM60(4発装填)、予備弾丸2セット(10発)、鉈】 【持ち物:ブロックタイプ栄養食品×3、LL牛乳×3、支給品一式、茜の支給品一式】 【状態:軽度の疲労、やり切れない思い、首輪解除済み】 【目的:不明】 鹿沼葉子 【持ち物:フェイファー・ツェリスカ(3/5)、消防斧、支給品一式】 【状態:軽度の疲労、肩に軽症(手当て済み)、右大腿部銃弾貫通(手当て済み、全力で動くと痛みを伴う)、首輪解除済み】 【目的:何としてでも生き延びる】 【時間:3日目14:10】 【場所:f-5高天原】 倉田佐祐理 【所持品1:レミントン(M700)装弾数(0/5)・予備弾丸(7/7)、レジャーシート、吹き矢セット(青×3:麻酔薬、赤×3:効能不明、黄×3:効能不明)】 【所持品2:二連式デリンジャー(残弾0発)、暗殺用十徳ナイフ、投げナイフ(残り2本)、日本刀、支給品一式×3(内一つの食料と水残り2/3)、救急箱】 【所持品3:柳川の眼鏡、コルト・ディティクティブスペシャル(4/6)】 【状態1:疲労大。留美のリボンを用いてツインテールになっている、首輪解除済み】 【状態2:右腕打撲。両肩・両足重傷(大きく動かすと痛みを伴う、応急処置済み)】 【目的:脱出手段を探す】 【時間:3日目14:10】 【場所:f-5情報システム制御室】 久寿川ささら 【持ち物1:ドラグノフ(0/10)、電磁波発生スイッチ(作動した首輪爆弾の解除用、充電済み)、トンカチ、カッターナイフ、救急箱(少し消費)】 【持ち物2:包丁、携帯電話(GPS付き)、携帯用ガスコンロ、野菜などの食料や調味料、ニューナンブM60(0/5)、支給品一式】 【状態:号泣。疲労大。右肩負傷(応急処置及び治療済み・若干回復)、首輪解除済み】 【目的:脱出手段を探す、麻亜子と貴明の分まで一生懸命生きる】 春原陽平 【装備品:レーザーガン(残エネルギー0%)】 【持ち物1:9ミリパラベラム弾13発入り予備マガジン、FN Five-SeveNの予備マガジン(20発入り)×2、89式小銃の予備弾(30発)】 【持ち物2:鋏、鉄パイプ、工具、ワルサー P38(残弾数6/8)、予備弾丸(9ミリパラベラム弾)×10、鉈】 【持ち物3:LL牛乳×3、ブロックタイプ栄養食品×3、支給品一式(食料を少し消費)】 【状態@:号泣。右脇腹軽傷・右足刺し傷・左肩銃創・数ヶ所に軽い切り傷・頭と脇腹に打撲跡(どれも治療済み・多少回復)、首輪解除済み】 【状態A:疲労大、左肩致命傷(腕も指も全く動かない、応急処置済み)】 【目的:脱出手段を探す】 北川潤 【持ち物@:SPAS12ショットガン6/8発+予備8発+スラッグ弾8発+3インチマグナム弾4発、支給品】 【持ち物A:インパルス消火システム スコップ、防弾性割烹着&頭巾(衝撃対策有)携帯電話、星の砂(光0個)、お米券】 【状況:号泣、疲労大、背中に重度の打撲(応急処置済み)、チョッキ越しに背中に弾痕(治療済み)】 【目的:脱出手段を探す】 広瀬真希 【持ち物@:ワルサーP38アンクルモデル5/8+予備マガジン×2、防弾性割烹着&頭巾(衝撃対策有)】 【持ち物A:ハリセン、美凪のロザリオ、消防斧、救急箱、ドリンク剤×4 お米券、支給品、携帯電話】 【状況:号泣。疲労大、背中に重度の打撲(応急処置済み)、チョッキ越しに背中に弾痕(治療済み)】 【目的:脱出手段を探す】 ボタン 【状態:健康】 【備考】 ・拓也達がリヤカーに乗せていた消火器、浩平・七海・茜の支給品一式(日本酒含む)は破損した為その場に放置 ・智代と詩子は船のことを誰にも話していない - BACK