終わる世界




闇夜の下、ルーシー・マリア・ミソラ達の眼前に屹立する少女――朝霧麻亜子。
るーこと麻亜子は日常生活の時に、夜の学校で一度出会った事がある、いわば顔見知りだ。
そして河野貴明の情報により、麻亜子がゲーム乗っているのは分かっている。
麻亜子の言葉が、殺気が、武器が、避けようの無い闘いの到来を予感させる。
麻亜子は油断無くこちらへ銃口を向けたまま、しかし軽い調子で言った。
「あのさ、そこの君。その手に持ってるマシンガンをあたしにくれないかね?」
「……どういうつもりだ?」
るーこが怪訝な表情をする。彼女の疑問も当然だった。
何しろ麻亜子が声など掛けずに銃を放っていれば、自分は間違いなく殺されていたのだから。
決定的好機を捨ててまでわざわざ取引を持ち掛ける、その意図が分からなかった。
「ホントならここで君達二人とも死んでもらうトコだけど、あたしにはちょっと急用があってね。
 今は武器さえ手に入ればそれで良いのさ。……これ以上、余計な敵を増やしたくないしね」
「……それは本当か?」
「何だい何だい、同じ学校のよしみで聞いてあげてんだぞー。疑ったり断るんならこのままズガン!だ」
銃口をるーこの胸に向けて圧倒的優位を保っていた麻亜子だったが、その言葉に嘘は無い。

――麻亜子としては、綾香を倒すまでは必要以上に恨みを買いたくなかった。
記憶によればるーこはささらや貴明と面識があった筈だし、二人で行動をしている以上ゲームにも乗っていないだろう。
少なくともこの二人が貴明やささらを傷付ける、といった事は考え難い。
ならばわざわざここで、無意味な殺戮を行う必要は無いのだ。

   *     *     *

ここでマシンガンを失うのは非常に痛手だが、反抗した所で、怪我をしている自分がこの敵に勝利し得るのだろうか?
麻亜子の脅迫を受けたるーこが考え込んでいると、すぐ耳元で陽平の囁きが聞こえた。
「おい、るーこ……あの銃は杏のじゃ……」
敵が持っている銃を凝視すると、それは確かに藤林杏が持っていたRemington M870であった。
何故杏が持っている筈のRemington M870を麻亜子が持っているのか、答えはすぐに出た。
もう一件の民家から聞こえてきた銃声――あれはきっと、杏達が襲撃された時の音なのだ。
そして武器が奪い取られしまっている現状から、仲間がどうなったか想像するのは容易だ。
(……るーは皆戦士だ、非道なうーの脅しになど屈しない。るーは仲間と誇りを守る為ならば、命を懸けて戦ってみせる)
もうるーこは迷わなかった。武器を持っていない方の手で、ぎゅっと陽平の手を握り締める。
それだけで、るーこの意図は十分に陽平へと伝わった。二人の間には、それ程の信頼関係があった。

(るーこは今銃を向けられてる――僕がどうにかするしかないっ!)
陽平は即座に思考を巡らした。鞄の中から武器を取り出して投擲するような時間は無いだろう。
いざという時に信じられるのは使い慣れない武器よりも、長年鍛えてきた技術である。
「いっけぇぇっ!」
陽平は俊敏な動作で、足元に落ちている瓦礫の欠片を蹴り飛ばした。
元サッカー部によるシュートは、綺麗に麻亜子の手元へと吸い込まれ、大きな衝撃を生み出す。
麻亜子は痛みに顔を顰め若干身じろぎしたが、それでも先の一戦の反省からか、武器を取り落とす事は無かった。
だが隙としては十分――るーこがH&K SMG‖の銃身を素早く持ち上げた。
麻亜子が地を蹴り、その場を飛び退くのとほぼ同時に銃声が木霊する。
数発の銃弾が唸りを上げて麻亜子に迫り、その頬を軽く切り裂いていた。

「あうあう! 何だよ、俺にくれたって良いだろ!」
まるで駄々を捏ねる子供のように、非難の声を上げる麻亜子。
それはとても戦闘中とは思えないくらい、酷く間の抜けたものであった。
しかし忘れてはいけない――朝霧麻亜子は何人もの命を奪っている強力な殺人者だ。
その中学生のような外見と子供じみた言動に騙されてはいけないのだ。
「――俺のこの手が真っ赤に燃える!敵を倒せと輝き叫ぶぅっ!」
麻亜子は喚き散らしながらも、しっかりと体勢を建て直して、銃を構えていた。

「ヤベェッ!」
陽平は慌ててるーこの体を抱きかかえ、大きく横へ跳ねる。
だがRemington M870は散弾銃であり、その銃口から放たれる攻撃は広範囲に及ぶ。
それは熟練した者が扱えば俊敏な獣の動きすら捉える事が可能であり、例え素人が用いたとしても人を抱えて躱し切れる代物では無い。
「ぐあっ……」
叩きつけるような激しい衝撃と共に、脳に灼けるような激痛が伝達される。
散弾の幾つかが陽平の肩に突き刺さり、損傷した部位から溢れ出す血液が衣服を濡らす。
それでも陽平は、るーこを抱く手の力だけは緩めず、そのまま一直線に駆けた。
今度はるーこのH&K SMG‖が火を吹き、麻亜子は体勢を低くする事でそれを凌いだ。
るーこはそのまま引き金を絞り掃射を続けたが、程無くして銃が弾切れを訴える。
麻亜子はその隙を見逃さずに、すっと上体を起こしてRemington M870を構えようとする。
だがそれより早く陽平は足を振り上げ、地面に散在している瓦礫の破片を再び蹴った。

「はんっ、二度も同じ手は食わないよ!」
麻亜子は横方へと上半身を大きく傾け、迫る飛来物から身を躱していた。
その間にるーこがH&K SMG‖からマガジンを叩き落して、ポケットに入れておいた予備弾倉を急いで詰め込んだ。
陽平に抱きかかえられたままの体勢では正確な射撃など望むべくも無いが、それでも撃った。
敵に少しでも攻撃の時間を与えてしまえば、今度こそやられてしまうだろう。
自分達の状態では散弾銃を避ける事が出来ない以上、攻め続けるのが重要だった。
「うーへい、前へ!」
「オーケイ!」
るーこの要請に応え、陽平はがむしゃらに地面を蹴り、前方へと疾走した。
麻亜子がRemington M870を構えようとする度に、るーこのH&K SMG‖が吠える。
銃弾は相手の反撃を封じ込めていたが、驚く程軽やかな動きをする麻亜子の身体を捉えはしなかった。

少しの間戦っただけでも、嫌と言うほど思い知らされる――この敵は強い。
一対一の状況で戦っては、とても勝ち目は無いだろう。
だが自分達は二人いる。一人が怪我をしたのならば、もう一人が支えてあげれば良い。
自分達は二人で一つ。一人きりで戦っている相手になんて、絶対、負けない。
幾らなんでも至近距離でマシンガンの掃射を行えば、敵が誰であろうと命中する筈。
こちらの銃弾が再び尽きる前に、距離を詰め切れるかどうかで全てが決まる。
陽平は走った。自分が唯一、大抵の人間よりも優れていると自信を持てる、足だけが頼りだった。
肩が妙に熱っぽくなり感覚が薄れてきていたが、抱きかかえたるーこの身体は離さない。
今も前方で不規則にステップを踏んでいる麻亜子目掛けて、猛然と駆けた。
相手との距離は少しずつ縮まってきており、後十メートル程だ。
(いける……このまま走れば勝てる! るーこなら絶対に決めてくれる!)
るーこの体温を感じ取りながら、陽平がそう確信した、その時。
麻亜子はスカートのポケットに手を突っ込み、そしてその手を素早く振り上げた。

――銃はまず敵に向けて構え、それから引き金を絞る、つまり二段階の動作を必要とする。
るーこはその弱点を突き、先程から麻亜子が攻撃に移る済んでの所で遮っていた。
だが重量の軽い物を最小限の動きで投げるだけならば、一動作で済む。
振り上げざまに放り投げられた物体――投げナイフは正確に陽平の足へと突き刺さっていた。
右足に激痛と衝撃が跳ね、陽平は転倒こそしなかったものの、大きくバランスを崩してしまう。
その拍子に手の中からるーこの身体が零れ落ち、胸に伝わっていた温かさが消え失せた。

そこから先の出来事が、陽平の目にはスローモーションのように映っていた。
るーこが苦し紛れにH&K SMG‖を放つが、それは悠々と回避されてしまう。
麻亜子がまたポケットからナイフを取り出し、それを投擲する。
ナイフはるーこの左腕を捉え、鮮血を撒き散らし、H&K SMG‖が地面に落ちる。
「――もう容赦はしない。悪いけどここまでだよ」
麻亜子がゆっくりとRemington M870を構えようとする。
(るーこっ……!)
陽平は死に物狂いで足を振り上げた。右足を鋭い痛みが襲っているが、気にしてなどいられない。
サッカーの練習を止めてしまった自分程度が、今の状態でどれだけ出来るか分からないけど、やるしかない。
(途中で夢を諦めてしまった僕だけど――)
この一回だけで良い。二度と昔のようなシュートを放てなくなっても構わない。
「僕の足、もう一度だけで良いから昔のように動いてくれっ!!」
るーこさえ守り抜ければ、他には何もいらない。
陽平は全身全霊を以って、足元にある瓦礫の破片を蹴り上げた。

   *     *     *

――予測していた筈だった。怪我をしている相手の攻撃なんて、簡単に避けれる筈だった。
だが放たれた瓦礫の欠片は、これまでとは比べ物にならないスピードで飛来してきた。
「むわあっ!」
手元を強打された麻亜子は、躱す事も耐える事も叶わず、Remington M870を取り落とした。
麻亜子は慌ててそれを拾い上げようとしたが、その最中、背筋に何か冷たいものを感じた。
「――さらばだ」
聞こえてきた声に顔を上げると、るーこがこちらに向けて、凍りつくような視線を送ってきていた。
その手にはしっかりとH&K SMG‖が握られている。麻亜子にはその銃口が、冥府への入り口のように見えた。
それでも麻亜子は諦めなかった。こんな所でやられる訳にはいかない。
今が自分が死んだら誰が綾香を倒すというのだ。誰がささらを守るというのだ。
誰が平和だった頃の生徒会を取り戻すというのだ。
こんな所で死んでしまっては、今まで何の為に己の手を汚し、非道に徹してきたのか分からなくなる。
「こんちきしょうっ――――!!」
全力で、力の限り、地面を思い切り蹴り上げる。
だがあくまで冷静にその動きを読んでいたるーこの銃口は、その軌跡を完璧にトレースしながら銃弾を吐き出してゆく。
麻亜子の腹部にいくつもの衝撃が叩きつけられ、その身体は後方に吹き飛び、どさりと地面に倒れた。

   *     *     *

「やった……」
麻亜子が吹き飛ばされる一部始終を眺めていた陽平は、ぺたんと地面に腰を落としながら、ゆっくりと呟いた。
強敵だった。何か一つでもミスを犯していれば、確実に負けていた。
それに勝ったとは言え、自分達だってもうボロボロだ。これ以上の戦闘は無理だろう。
だがそれでも、とにかく自分達は生きており、敵は間違いなく死んだ筈。
恐らくはあの来栖川綾香や、今は亡き柏木千鶴にすら対抗し得る程の実力を持つ殺人鬼に、勝利したのだ。
「つうっ……」
「…………?」
耳に届いた呻きに視線を動かすと、るーこが血の流れ出る腕を押さえていた。
「るーこっ!」
陽平は血に染まった足を引き寄せて、よろよろと立ち上がった。
「大丈夫か、るーこ!」
陽平が必死の形相で叫ぶと、るーこは下目遣いで笑みを浮かべた。
「それはこちらの台詞だぞ、うーへい。うーへいもなかなかにボロボロじゃないか」
「……はは、違いねえや」
陽平は頭の後ろをぽりぽりと掻いて、それから苦笑いを浮かべた。
血塗れの身体だったけど、るーこと二人で笑い合っていた。
そのまま足を引き摺る様にして、るーこの方へと近付いてゆく。
るーこの身体を引き上げるべく手を伸ばそうとする。


――ぱらららっ、と音がした。
陽平の眼前で鮮血が飛び散り、るーこの身体がぐらりと揺れ、地面に倒れ込んだ。
「……へ?」
事態が理解出来ず、場違いなくらい間抜けな声を上げてしまう。
地面に倒れ伏するーこの身体から、赤い血飛沫が噴き出している。
その暖かい液体が、ぽたぽたと、陽平の足にも降りかかる。
まさか、これは、つまり――
「るーこぉぉぉぉぉぉっ!!」
陽平は無我夢中でるーこの身体を抱き上げた。大丈夫、まだ暖かい。
まだ呼吸をしている。まだ生きている、諦めなければきっと、助かる。
「るーこ、しっかりしてく……」
最悪の結末を否定しながら、懸命に呼び掛ける陽平だったが、突如その横腹に強烈な衝撃が奔る。
「くぁ……っ」
「――よくもやってくれたわね」
腹を押さえながら顔を上げると、そこには最も出会いたくなかった――来栖川綾香が、立っていた。
凄惨に焼け爛れた右腕、殆ど開いていない左目、だが左腕にはしっかりとIMI マイクロUZIが握り締められている。
陽平はそれでようやく何が起こったかを了解した。るーこは、この女に狙撃されたのだ。

「まさか……、まーりゃんがあんた達なんかにやられるとは思わなかったわ……。おかげで復讐しそびれちゃったじゃないっ……!
 今までずっと後を尾けてたのが、台無しじゃないっ……!」
綾香が怒りに震える声で、言葉を投げ掛けてくる。だが、どうでも良い。
普段なら恐怖で悲鳴の一つくらい上げてしまったかも知れないけど、今の自分にとってはどうでも良い。
陽平は綾香から視線を外し、再びるーこの身体を抱き上げた。
「るーこ、死ぬな! 僕が助けてやるから、死んじゃ駄目だっ!」
「う……へ…………い……」
るーこが半分光を失った目で、こちらに視線を返してくれる。
陽平はぎゅっと強くるーこの手を握り締めて、それから言葉を続けた。
「大丈夫! きっと助かるから! 教会に行けば皆が何とかしてくれるから! それまで頑張るんだっ!」
そうだ――るーこが死ぬ事なんて、ある訳が無い。これまでずっと自分達は一緒に行動してきたのだ。
これからも二人一緒に行動して、主催者を倒して、元の生活に帰るんだ。ずっと一緒に過ごすのだ。
だがそんな陽平に対して、るーこはゆっくりと首を振った。
るーこには分かっていた。自分の傷が、もう助からない程のものだと。
「るーは……もう、駄目だから……うーへい……だけでも……逃げ……て……生き……て……」
その言葉を聞いた瞬間、堤防が決壊したかのように、陽平の目から涙が流れ落ちた。
「駄目だ駄目だ駄目だ! 逃げるんなら二人だっ! 生きるんなら二人だっ!」
陽平は首をぶんぶんと横に振りながら、腹の底から叫んだ。
それを見たるーこは、とても悲しそうな顔をした後、また口を開こうとした。
「うーへ……」
そこで一際大きな銃声が聞こえた。るーこのこめかみ辺りに、赤い斑点が刻まれていた。
「……るーこ?」
握り締めたその手から力が失われてゆく。
「おいるーこっ!? 返事をしてくれよっ!」
大きく見開かれたその目は、もう陽平を映していない。
「るーこ! るーこぉぉぉぉぉぉぉっっ!!」
がくがくとその身体を揺すっても、何の反応も返ってきはしない。重力以外の力を感じ取れはしない。
それでようやく陽平は悟った。自分達二人の世界は、終わってしまったという事を。


「はいはい、茶番劇はこれにて終了よ。とっとと立ち上がって私を楽しませてみせなさいよ。
 こちとら勝手にまーりゃんを殺されちゃって、鬱憤が溜まってるんだから」
るーこの身体を抱きしめて泣きじゃくる陽平に、綾香が語り掛ける。
少なくとも陽平への復讐は十分過ぎる程に果たしたというのに、その表情には明らかな不快の色が浮かんでいた。
「どうしたの? 私が憎くないの? そこに落ちてある銃を拾い上げて戦おうとはしないの?」
綾香の言葉通り、陽平のすぐ傍にはH&K SMG‖が落ちている。
だがその事を指摘されても、陽平は全く動こうとはしなかった。
銃を拾い上げればるーこの仇に一矢報いれるかも知れないのに、ただただ涙を流し続けるだけだった。
綾香はそんな陽平の様子を暫く眺め見た後、心底呆れた、という風に大きな溜息をついた。
「……ハッ、相方が殺されたっていうのに、アンタどうしようもないへタレね。るーこもきっと、呆れてるわよ?
 まあ良いわ。私もいい加減疲れてるし、手早くるーこの所へ送ってあげる。せいぜいあの世で仲良くする事ね」
マシンガンの銃口をごりごりと、陽平の後頭部に押し付ける。
(ったく、最悪ね。勝つには勝ったけど、こんなんじゃ全然スッキリしないわ)
今更この男を痛めつけた所で、何の反応も帰ってきはしないだろう。
早くこんな下らない戦いは終わらせて、何処かで休憩しよう――綾香がそう思った時だった。
何かが風を切る音がしたのは。殆ど異能の域に達する反応で身を翻そうとした綾香の肩に、ボウガンの矢が突き刺さっていたのは。
「――あああぁぁっ!?」
綾香は突然受けた攻撃に混乱し、叫び声を上げながらもその場を飛び退いていた。
直後、それまで綾香がいた空間を粒弾の群れが切り裂いてゆく。

肩に突き刺さった矢を乱暴に引き抜きながら、銃声のした方を向くと、そこには。
死んだ筈の、あの女が。朝霧麻亜子が、Remington M870を構えて立っていた。
宿敵の綾香に手傷を負わせたというのに、その顔に笑みは一切無く、逆に苦痛に耐えるような表情をしていた。
その姿を見た綾香は一瞬で、どういう事か理解した。
自分は陽平達と麻亜子の戦いが終わった瞬間に復讐を果たすべく、秘密裏に距離を詰めていた。
その際に発光する物体を持っていては存在を察知されてしまうので、レーダーの電源を切っていたのだが、それが不味かった。
レーダーを用いれば確実に相手の生死を判断出来るが、この闇夜において肉眼ではそうもいかない。
つまり麻亜子は自分と同じく防弾系の装備を着ており、一命を取り留めたのだ。
表情が優れないのはいくら防弾性の装備を身に纏っているとは言え、衝撃までは殺し切れない為だろう。
綾香は笑った。一度は閉ざされた復讐の道が再び開かれた幸運に、これ以上無いくらい口元を歪めた。
「よくぞ……生きていてくれたっ……!」
それはとても重い、地獄の底から響き渡ってくるような声だった。
数多の戦いを傷付きながらも生き延び、麻亜子と綾香は三度対峙する。




【時間:2日目・20:30】
【場所:g-2右上】

来栖川綾香
【所持品1:IMI マイクロUZI 残弾数(19/30)・予備カートリッジ(30発入×2)】
【所持品2:防弾チョッキ・支給品一式・携帯型レーザー式誘導装置 弾数1・レーダー(予備電池付き、一部損傷した為近距離の光点のみしか映せない)】
【状態1:右腕大火傷(腕を動かせない位)。肋骨損傷(激しい動きは痛みを伴う)。左肩口刺し傷(治療済み)。全身に軽い火傷、疲労、体の節々に痛み】
【状態2:左目失明寸前、右肩負傷、麻亜子と対峙】
【目的:何としてでも麻亜子を殺害。ささらと、さらに彼女と同じ制服の人間を捕捉して排除する。好機があれば珊瑚の殺害も狙う。】

朝霧麻亜子
【所持品1:Remington M870(残弾数2/4)、デザート・イーグル .50AE(0/7)、ボウガン、バタフライナイフ】
【所持品2:防弾ファミレス制服×2(トロピカルタイプ、ぱろぱろタイプ)、ささらサイズのスクール水着、制服(上着の胸元に穴)、支給品一式(3人分)】
【状態:綾香と対峙、マーダー。スク水の上に防弾ファミレス制服(フローラルミントタイプ)を着ている、頬に掠り傷、肋骨二本骨折、内臓にダメージ、全身に痛み、疲労】
【目的:目標は生徒会メンバー以外の排除、特に綾香の殺害。最終的な目標は自身か生徒会メンバーを優勝させ、かつての日々を取り戻すこと。】

ルーシー・マリア・ミソラ
【持ち物:、予備マガジン(30発入り)×2、包丁、スペツナズナイフ、LL牛乳×6、ブロックタイプ栄養食品×5、他支給品一式(2人分)】
【状況:死亡】

春原陽平
【持ち物1:FN Five-SeveNの予備マガジン(20発入り)×2、LL牛乳×3、ブロックタイプ栄養食品×3、他支給品一式(食料と水を少し消費)】
【持ち物2:鉈、スタンガン・鋏・鉄パイプ・首輪の解除方法を載せた紙・他支給品一式】
【状態:深い絶望、号泣。右足刺し傷、左肩銃創、全身打撲(大分マシになっている)・数ヶ所に軽い切り傷・頭と脇腹に打撲跡(どれも大体は治療済み)】

【備考】
・以下の物は地面に落ちています。サバイバルナイフ、投げナイフ、H&K SMG‖(5/30)
-


BACK