誰も予測できない事体




岸田洋一は腹の傷を庇いながら鎌石村を南下し平瀬村へと入ろうとしていた
足取りは普段よりも速度は遅く、的確だった。
(糞っ…高槻は何処にいるんだ、折角武器が手に入れたと言うのにっ!!)
岸田は自分の都合通りに行かない事に憤慨していた、ロワちゃんねるで鎌石村役場に来たのは手っ取り早く強姦するためだった…
あわよくば高槻が来ているかもしれないと言う彼の望みだった。
しかしそこに居たのは藤田浩之一人と女達の死体…電動釘打ち機や防弾アーマーを手に入れた時等と同様、生きた男と女の死体に巡り合う運命らしい。

鎌石村役場での藤田浩之に受けたダメージは大きかった、しかし得たものも大きかった
サブマシンガンとマグナム、マーダーとしての装備としては十分過ぎるものだった。
しかしその後に都合よく高槻とは出会わなかった。
これは朋也戦で出血多量に陥っている高槻にとって幸運であり、岸田にも幸運であった…彼の傷も決して浅くはない。
高槻を殺したとしてもその周りにいるであろう仲間達に殺されては意味が無いからだ。

そして岸田の脳裏に一つの不安が過る。
(まさか他の誰かにブッ殺されたんじゃないだろうなぁ…高槻よぉ!!)
前回の高槻との戦闘は約12時間前、殺されていてもおかしくは無い…そんなことを考えていた。
(…放送はまだか!!高槻の名を…名を呼ぶんじゃねえぞ…。)
杞憂でしかないことを岸田は心の中で思う…宿敵と認めた高槻…奴をぶち殺すそれが念願だ。

―――定時放送まであと15分、岸田は放送を心待ちにしていた
そして彼が向かう平瀬村には高槻は居ない、決して彼の都合良くは行かない…。
それは他の平瀬村に向かう参加者とて同じだった…。

―――強力な武器や仲間を集めていく河野貴明

―――強力な武器を手に入れようとする朝霧麻亜子

―――今までリモコンスイッチで上手く行っていた宮沢有紀寧

―――首輪のレーダーを持つ来栖川綾香

―――そして首輪の枷の無いイレギュラー岸田洋一…。

誰の予測も出来ない戦いが起ころうとしていた…。

 


【時間:二日目・17:45】
【場所:F−4】

岸田洋一
 【装備:電動釘打ち機(5/12)、カッターナイフ、鋸、ウージー(残弾25/25)、デザートイーグル(.44マグナム版・残弾7/8)、特殊警棒】
 【所持品:支給品一式、ウージーの予備マガジン(弾丸25発入り)×1】
 【状態:肋骨一本完全骨折・二本亀裂骨折、胃を痛める、腹部に打撲・内出血、切り傷は回復、マーダー(やる気満々)】
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