全ては徒労に終わる




――――――何もなかった…。

神塚山山頂には何も無かった…。
坂上智代と里村茜は首輪に電波を送る為の基地局を探して神塚山山頂へと上った
しかし何も無かった……そして平瀬村への帰路についている最中である。

「くそっ!結局全ては徒労に終わったのか……何も出来ていないじゃないか……」
拳を握り締めながら深く悔しがる智代、前にもこんな感じのセリフを言ったのは言うまでもない。
「仕方がありません…無いモノは無いのですから…。」
明後日の方向を見て、どこかで聞いたようなセリフを吐くのは里村茜、

それに仮に首輪に電波を送る為の基地局があったとしても参加者の目の届く範囲にあってたまることは無い
理由としては支給品の武器にあった
・藍原瑞穂の持っていた手榴弾と姫百合瑠璃の持っていた携帯型レーザー誘導装置
主催者が支給品にこんな物をいれるのだから、仮に目の届く範囲に基地局があれば破壊されるのも想像につく主催者は浅はかでは無い…。

「爆弾が支給品にあるくらいです、主催者も馬鹿ではないでしょう」
昨日の夕方の事を思い出したのか、ボソリと口に出す茜、
「…ハッ!!………なんでその事を言ってくれなかったんだ!!」
茜が口に出さなかったら本気で思い出さなかっただろうな智代、慌てて抗議の態度に出る
「それも含めて成功確率が2割程度だと思って賛成したんです…もしかして忘れていましたか?」
能面のような顔で智代にボソリと喋りかける茜、別に怒ってはいない…呆れているのだ。
「いや…その……。」
しどろもどろに成りながら手の平をぶんぶん振る智代、
「それならいいです…。」
『やっぱり』と言いたげな茜、しかし智代にトドメを刺すつもりは無い。
なんだかんだ言ってもマーダーに成らなかったのは正解であり今も無事に生きている
そういう意味では智代に感謝しなければならない………しかし!!

(どう考えても空回りですね…島一番の役立たずな気がします…。)
口に出さず核心を突く茜、智代はゲーム開始24時間経っても本当に何もしていないのだ…。
二人は知らないことなのだが、他の参加者達は大いに行動していた。

対主催者を目指す者達は仲間を集め、マーダーとも戦う
銃を持たないものでも知恵を振り絞り立ち向かう
首輪解除を目指すものたちは情報を集める
マーダーとてマーダー同士で戦うこともある
亡くなった者とて24時間死者が出ない場合のリセット役に貢献していたりする。
ある者は愛するものを奪われ、ある者は友情を深めた仲間を奪われた…。
裏切りや誤解、様々な不の感情が渦巻くこの島…。

――――――坂上智代の取った行動…。
最初からゲームの破壊を目標とし行動を開始する。
マーダー化しかけていた茜の説得に成功
その後は協力者を探し行動したが無駄に終わる。
倉庫でやさぐれ
茜とドツキ漫才…。
鬱な春原を発見して蹴り飛ばし説教した。(茜がフォローした)
首輪に電波を送る為の基地局を探したが何も出なかった。
現在は平瀬村への帰路に着く最中である。

(………彼女はいったい何をやっているのでしょうか…。)
下手なキャラより役に立たないとふとそう思う茜だった…。




【時間:2日目11:00頃】
【場所:f-3】

里村茜
 【所持品:フォーク、他支給品一式】
 【状態:全身打撲(マシになった)、智代の行動に呆れている、平瀬村に帰宅する最中】

坂上智代
 【所持品:手斧、他支給品一式】
 【状態:全身打撲(マシになった)、平瀬村に帰宅する最中】
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