遊び心




「あれ?何だ、これ二発しか入ってなかったんだ」

リサ=ヴィクセンを葬った七瀬彰は、そのまま彼女の膝で眠り続ける美坂栞にも止めを刺すつもりであった。
だが、手にしていたデリンジャーからはカチ、カチッといった弾切れの合図しか返って来ない。

銃ならまだあるので、それはまあ良かった。
それにたった今殺害した女性の鞄から出てきたものも、何と今彰が所持していた銃と同じもので。

運とは恐ろしい、改めて思う。
リサの荷物も奪い取り、彼の装備はますます強固になった。
そんな彰には今、精神的にもかなりの余裕があった。

「そうだ、こうしたら・・・」

それは、ちょっとした遊び心であった。
いまだ眠り続ける栞の右手をとる、彰はそれに弾切れになったデリンジャーを掴ませた。

「あはは、目が覚めたらこの子どんな反応するかなー」

咽るような血の匂いの中、薬のせいで眠り続ける栞を置いたまま海の家を後にする。
栞が目覚めるのは、まだ先のこと-----------------。




七瀬彰
【時間:2日目午前0時過ぎ】
【場所:G−9】
【持ち物:アイスピック
     吹き矢セット(青×4:麻酔薬、赤×3:効能不明、黄×2:筋肉弛緩剤)
     八徳ナイフ
     コルト・ディテクティブスペシャル(装弾6)
     コルト・ディテクティブスペシャル(装弾6) 残弾17
     リサの集めた食料
     他支給品一式】
【状況:ゲームに乗っている】

美坂栞
【時間:2日目午前0時過ぎ】
【場所:G−9・海の家】
【所持品:鉄芯入りウッドトンファー・支給品一式】
【状態:右手に二連式デリンジャー(弾切れ)を握らされている、麻酔薬により眠っている、香里の捜索が第一目的】
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