「やれやれ。やっと抜け出せたか……」 巳間良祐は試行錯誤の末、なんとか自力で罠から脱け出すことに成功した。 「――よし。では行くとするか……」 そう言うと良祐はデイパックを手に取り歩きだす。 ――あれから良祐はこれから先も自分はゲームに乗り続けるか、それとも乗らないべきか自分なりに考え続けた。 しかし今の彼はもう他の参加者を殺そうなどとは思わなかった。 かといって主催者に反逆しようなどとも彼は思わなかった。 だから彼は自分1人で島を脱出する方法を探すことにしたのだ。 今更他の参加者と群れて行動する気など彼にはなかった。 (――だが、まずはこの首輪をなんとかしなければならないな………) 良祐は一度首に取り付けられている首輪に手をやった。 (おそらく、こいつには爆弾のほかに人間の生死を判断する機能や参加者の居場所を割り出す発信機、そして盗聴器などが仕掛けられている…… つまりこれがある以上、島からの脱出は事実上不可能だ。 だが、主催者が本当に首輪を爆発させることが可能ならば必ず島のどこかにこいつを管制する装置か施設が存在するはずだ) 良祐はデイパックから地図を取り出すと今一度沖木島全体をチェックした。 (――神塚山。ここが一番臭いな……) 管制装置があるとしたらやはりこのような高い場所にあった方が首輪に信号を送りやすいし、なにより島の中心に位置するため島全ての場所に均等に信号を送ることができる。 ならば調べる価値は充分あった。 (せめて何か武器も欲しいところだが今更ぜいたくは言えないか……) 地図をしまうと良祐は前方にそびえ立つ神塚山に目を向けた。 (――管制機能の破壊ができなくとも首輪の設計図か何かを手に入れられれば脱出も可能だろうがな……) そんなことを思いながら良祐は神塚山へと足を進めていった。 巳間良祐 【時間:2日目・午前7時】 【場所:F−6・7境界】 【所持品:支給品一式】 【状態:探求者化。右足・左肩負傷(どちらも治療済み)。神塚山を調べる。目標は首輪を無力化して島からの脱出すること。他の参加者と手を組むつもりはない。自分から人を殺す気はまったくなくなったが、万一の場合殺す覚悟はある】 - BACK