幸福の行方




神様なんていうものが、どれだけ身勝手な存在なのか、私たちはよく知っている。

私たちは、ずっと旅をしてきた。
色々な国を、色々な街を、色々な人たちを見てきた。
そこには私たちの幸せを願ってくれる神様も、私たちなんてどうでもいいと思ってる神様もいて、
人はただ、そういう大きなものに流されるように生きている。

それでも、私たちは抗った。
私たちは私たちだと、剣を取ったのだ。
いくつもの勝ちと、いくつもの負けを超えて、私は今ここにいる。

私たちは、神様なんかじゃない、大切なものを追いかけて、ずっとずっと追いかけて、
姿かたちさえ捨てて、こんなところにまで来てしまった。
これから先もずっとそうして、旅をしていくのだと思う。

色々な街や、色々な人を知るだろう。
そこにはきっとまたたくさんの神様がいて、私たちは、時にはそういうものを相手にしながら
大切なものを追い続けるのだ。

だから、私たちは、神様がどういうものだか、よく知っている。
けれど、それでも。

それでも、この国のどこかにもきっといるだろう神様に、問いかけたくなるような、
これは残酷な運命だった。

ねえ、神様。
―――どうして春夏さんが、泣かなくてはいけないの?




【時間:2日目午前6時過ぎ】
【場所:D−4】

 柚原春夏
【所持品:おたま】
【状態:慟哭】

 アヴ・カミュ
【状態:哀切】
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