「クク……そろそろくたばったか……?」 ニヤリと歯を剥いて笑ったのは岡崎朋也である。 その視線は、一人の男の尻を見下ろしていた。 ぴくりぴくりと痙攣しているそのむき出しの尻に指を滑らせ、朋也は満足したように笑うと、 その場に横たわるもう一人の青年の方へと歩き出そうとする。 しかし、その足を掴むものがあった。 胡乱げに振り向く朋也。足を掴んでいたのは、痙攣していたはずの男の手であった。 「ま、待て……どこへ行く気だ……? まだ俺様のバックはピッチピチだぜ……」 毛だらけの尻にロウが垂らされた痕を幾つも作り。 白濁液に塗れた菊座には、クラッカーの中に詰まっていたらしき色とりどりの紙吹雪をまとわりつかせ。 それでも、男の瞳は死んではいなかった。 震える手で必死に足を掴んでいるその男の、血の涙を流さんばかりに充血した眼を見て、 朋也は嬉しそうに舌なめずりをする。 「ほぅ、いい覚悟だ。俺のスペシャルメニューじゃあ、まだ足りなかったか」 「ケッ……何が、スペシャルだ……あれっぽっちじゃ、オードブルにもなりゃしねえぜ……」 男の精一杯の強がりに、朋也は哄笑する。 「ククク……フフ、ハハハハハ!! よく言った、よく言ってくれた! そうだな、ここからはシェフのおすすめメニューといこうか!」 と、朋也はぴたりと笑みをおさめると、男の目を見返して静かに告げる。 「……その前に、俺はひとつお前に謝らなきゃならんことがある」 「な……何だ……?」 ただならぬ口調に、思わず身構える男。 朋也は王者の風格漂う笑みを口元に浮かべ、悠然と口を開いた。 「俺としたことが、男を相手にするのは初めてでな。ついつい手加減しちまってたみたいだ。 まったく、失礼なことといったらないな……クク」 楽しくてたまらない、といった風情で続ける朋也。 「……なぁ、おい? たかだか準備運動程度で、まさか音を上げるはずがなかったよなあ?」 「な……っ!」 朋也の言葉に、思わず男が絶句する。 驚愕に固まったその表情を見て、朋也は男のおとがいに手をかけると、その唇をついばむように吸う。 「さぁ……本番と行こうぜ?」 「ひっ……」 朋也の舌が、水音を立てて男の口腔を侵蝕する。 その感触に嫌悪感を覚えたか、男が顔をしかめた。 それを見て、朋也は嬉しそうに男の頬を撫でると、その瞼をねぶりながら囁く。 「いいんだぜ? ギブアップならそう言ってくれてもな……」 朋也はそこで言葉を切ると、視線を傍らに倒れ伏して荒い呼吸を続けているもう一人の青年に移した。 「ただ、そのときは……あっちに相手をしてもらうことになるけどなぁ……? クク……アレはアレでデザートに良さそうじゃないか……白くて柔らかそうだ」 「ま、待て……! 待ってくれ……!」 朋也の言葉に、男が激しく反応する。 死に掛けたカエルに電気を流すような、それは朋也の残酷な遊戯だった。 小刻みに痙攣するその矮小な姿を見て笑うように、朋也は男をねぶり続ける。 「そいつには……そいつには手を出すな……。 俺がいくらでも相手になってやるから……頼む……」 「手を出すなぁ……? ちょっとばかり言葉遣いがなってないんじゃねえか……?」 「く……手を……出さないでくれ、いや……ください、頼み……ます……」 臍の穴まで舐められながら、男は必死に懇願していた。 その擦れた声を聞いて、朋也は己の逸物が更に体積と硬度を増していくのを感じる。 「クク……わかってるさ、お前がそうやって可愛い態度を取ってりゃあ、あっちに浮気したりはしねえよ」 言いながら、その剛直を男のそれへと擦り付ける朋也。 「おいおい、すっかり萎えてんじゃねえか……ま、お前のは使わねえから別にいいけど、なっ……!」 「ぎ……がぁ……ぅ……っ!」 うつ伏せにし、尻を高く突き上げさせた男の菊座に狙いを定めると、一気に挿入する。 激痛ゆえにか、男の限界まで見開かれた眼からぽろぽろと涙が零れ落ちた。 流れた涙は唾液と混ざり合い、雨に濡れた地面に落ちる。 己の体液と雨粒によって作り出された泥濘に顔を埋めて、男は必死に苦痛を堪えようとしているようだった。 そんな涙ぐましい男の態度を見て、朋也の腰が加速する。 「いいねぇ……そういうの、嫌いじゃないぜ……。 もっと耐えてみせろよ……お前の限界、見せてくれよ……ああ、たまんねえ……」 男の直腸は、既に朋也の発射した子種で満たされている。 溢れだす白濁液が、血と混ざり合って桃色の泡となり、男の尻を彩っていた。 朋也の腰遣いが、段々と人間離れしたものになっていく。 「さぁて……じゃ、そろそろイクぜ……! ザーメン一気だ、飲み干してみせてくれよぉ……!?」 朋也の荒い呼吸が、限界に到達しようとした、その瞬間である。 「が……ぁぁぁぁっ!?」 突然、朋也の腰遣いが止まった。 のみならず、頭を抱えて苦しみだしたのである。 弾みで男の尻から剛直が引き抜かれた。 裸体を泥濘に預けてのた打ち回る朋也の目に、雨雲の薄灰色に満たされた空が映る。 「が……しまった、夜明けか……ッ! ぐ……ぐああああぁぁっッ!」 その言葉を最後に、朋也は意識を失っていた。 「た……助かった……、のか……?」 ばったりと倒れこんだまま動かなくなった朋也を恐る恐るつつく高槻。 つい先程まで自分を責め苛んでいたその身体が突然起き上がるようなことがないという確信を得て、 高槻はようやく胸を撫で下ろした。 雨水で身体中に付着した朋也の精液を荒い流し、ところどころ破れた服をいそいそと着直すと、 そっと彰の身体を揺する高槻。 「おい……おい彰、もう大丈夫だぞ……」 「ん、うぅ……?」 ぼんやりと目を開ける彰をみて、優しく微笑む高槻。 「気がついたか」 「高槻……さん?」 「そうだ、お前の高槻さんだよ。……調子はどうだ?」 高槻の手に額をまさぐられて、思わず身を引きかける彰。 そんな彰の様子を気にも留めず、高槻は難しい顔で呟く。 「……まだかなり熱があるな。やっぱりどこかで休まなきゃいかんか。 心配するな、俺様がちゃんとエスコートしてやるからな」 まだついてくる気かこのおっさん、と内心でげんなりする彰。 意識がはっきりしてくるにつれて、周囲の様子が眼に入ってきた。 すぐ側に倒れている朋也を見て、彰が躊躇いがちに訊ねる。 「この人……高槻さんが殺したの?」 「いや、死んでないぞ。何だか知らんが勝手にぶっ倒れちまった。 ……そうだな、彰が心配ならトドメをさしていこうか」 「誰もそんなこと言ってないんだけど……」 彰の呟きは耳に入らない様子で、朋也の方へと歩み寄る高槻。 どこで拾ったのか、手には大きな石を持っている。 が。 「……うおぉっ!?」 突如として飛来した何かが、高槻の足元に突き刺さっていた。 その行く手を塞ぐように、朋也との間に突き立てられているそれは、星型の巨大な手裏剣であった。 「クソッ……近くに誰かいやがるのか……! 逃げるぞ、彰!」 もつれる足を引きずって彰に駆け寄ると、高槻は彰の華奢な身体を荷物ごと抱え上げる。 「お、お姫様抱っこ……?」 「はは、彰は軽いな」 「いや、そういうことじゃなくて……」 「熱のあるお前を走らせたりできないだろ」 油断なく周囲に目を配りながら、荒い呼吸を隠そうともせずに走り続ける高槻。 その言葉と強い視線に、彰が少し黙り込む。 「ねえ」 「何だ」 「高槻さん、どうして僕の為にここまでしてくれるの……?」 その問いに、高槻は不意を突かれたように彰の目を見返した。その間にも足は止めない。 「……何でだろうな」 「え……?」 「正直、俺様にもわかんねえ」 「それじゃ……」 「何でこうなっちまったのか、いつからこうなっちまったのか。 全然わかんねえ。……けどな」 「けど……何?」 「お前を守る理由だけは、はっきりしてる」 何となく続きが聞きたくないような気がする彰だったが、高槻はしっかりと 彰の目を見つめたまま、言い切った。 「俺様が、お前を愛してるからだ」 いっそ殺せ。 高槻の腕の中で揺られながら、彰は本気でそう思っていた。 「……何で?」 いつの間にか図鑑に浮き上がっていた文字に観月マナが驚くのは、その少し後のことである。 『岡崎朋也(CLANNAD)×高槻(MOON.) --- クラスB』 【時間:2日目午前6時前】 【場所:E−06】 高槻 【所持品:支給品一式】 【状態:彰の騎士・切れ痔】 七瀬彰 【所持品:アイスピック、自身と佳乃の支給品の入ったデイバック】 【状況:発熱】 岡崎朋也 【持ち物:お誕生日セット(三角帽子)、支給品一式(水、食料少し消費)、大変な逸物】 【状態:変態強姦魔(両刀使い)・気絶中】 伊吹風子 【持ち物:彫りかけのヒトデ】 【状態:覚醒・ムティカパ妖魔】 観月マナ 【所持品:BL図鑑・ワルサー P38・支給品一式】 【状態:BLの使徒Lv1(クラスB×3)】 - BACK