封印




「んー、お腹減ったよぉ〜…」

川名みさきは何度、いや何百度目になるか分からない愚痴を言う
愚痴の内容は

「なんでこんなトコにいるんだろう」 5%
「お腹減った」           95%

内訳するとこんな感じである

同行する者はアロウン
みさきに支給された召喚スイッチにより召喚された魔王である

「──問おう。貴方が、私のマスターか」

「マスターって……何?」

「では、貴方が私を呼び出したのか?」

「…うーん…よく分からないけど……あっ!この変なボタン押したら煙が出てきて
貴方の声がしたんだよ、だから私が呼んだのかな?」

「では、貴方がマスターなのだな」


こんなやりとりを経て二人は一緒に歩いていた
みさきの眼のこともあり、ゆっくりではあるが…
かれこれ10時間は経ったであろうか
まだ誰とも会わない
しかし、午後6時に放送があったので
本当に殺し合いをしているのだ、とは理解ができた


「んー、早く帰ってお腹一杯カレーを食べたいんだよ…
 あれ?そういえば昔お母さんとお父さんが言ってたな、あれは確か…」


「みさきー、もうねなさーい」
「わかったよー、おやすみー」

「そういえば、みさきの食べる量が増えたわね、また…」
「しょうがないだろう、あの娘は伝説の食神なんだから」
「なんで私たちの娘があのような存在に…」
「嘆いても仕方ないだろう、幸い封印方法は簡単なんだから
 
 『半日食事ヲ与エネバ食神ハ復活スル、食神復活スレバ世界ハ滅ブ』

この言葉のおかげでみさきはまだみさきでいられるのだから…」


(…なんなんだろうね、食神って。食べ物の神様だから、いろんな食べ物を出してくれるのかな?
 あ〜、なんか食べたいよ〜)




川名みさき
 【時間:午後11時ごろ】
 【場所:J-09】
 【所持品:召喚スイッチ(使用済み)、食料と水を除く支給品一式】
 【状態:空腹度120%・食神復活まであと2時間】

 アロウン
 【時間:午後11時ごろ】
 【場所:J-09】
 【所持品:マフラー】
 【状態:みさきと契約を結ぶ】
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