姉妹愛〜神性なる神の願い〜




            ──────ちょっと前の話──────

 新たなるイケメン宇宙を創造し、
性欲の果てに合体を果たした椋とことみは、再び沖木島に降り立った。

「さあイケメンを探しに行きましょう。
もちろん精子……もとい生死は問わねぇぜ!」
「この島には相沢祐一という物凄いイケメンがいるの。
髪の色は銀で、目の色は紫なの。背中に6枚の銀色の羽が生えてるの。
物凄くかっこいい技や魔法を使うの」
「それはぜひともセックスしたいですね」
「祐一くんはとっても強いの。このまま向かっても、きっと返り討ちにされるの」
「そう言えば、ことみちゃんは便利な薬を持ってましたね。
これを使いましょうか?」
「それはいいアイデアなの。さっそく書き手薬を使うの」
そしてことみは、祐一とセックスするべく書き手薬を一錠飲んだ。

 性神の前に、6枚の羽を広げて優雅に佇む美少年のヴィジョンが映し出される。
この世のものとは思えない美しさを誇るその銀髪。
全てを魅了する吸い込まれそうな紫の瞳。

「な! なんというイケメン!!!! ああ、早くセックスしたい!!!!」

相沢祐一は性神の前にワープして
相沢祐一は性神の前にワープして神々しく光輝くその鎧を華麗に脱ぎ
相沢祐一は性神の前にワープして神々しく光輝くその鎧を華麗に脱ぎその艶かしい裸体を性神に……

「て、手が……動かないの!」
「な、何故!?」
その薬は短時間の間に限り、使用者の望む展開を書くことが出来るはずだった。
至高の快楽を味わえるであろう世界一のイケメン・祐一との性交は、あと少しで叶うはず。

相沢祐一は性神の前にワープして神々しく光輝くその鎧を華麗に脱ぎその艶かしい裸体を性神にさらして……

「こ……これ以上は無理なの!」
「どういうことですか!?」

 うろたえる性神の目に、一冊の本が映る。
「この本は!?」


         宝具・滅神正典(ゴッドイズデッド)

───────それはあらゆる神性を無効化する。性神の力も、そして神(書き手)の視点すらも。

「なんて本なの!?」
「やっかいな物を持っていますね」
究極のイケメン相沢祐一、このまま逃すことはセックスの神として許されない。
しかしこのままでは祐一とセックスすることが出来ない!

「仕方ありませんね。お楽しみは最後にとっておきましょう。
他にもセックスするべきイケメンは沢山いるみたいですし」
「たくさんイケメンセックスして、祐一くんに対抗できるぐらいの力を手に入れるの」
「おや? あそこにいるのはお姉ちゃんじゃないですか。
いいことを思いつきましたよ」

            ───────────────────

「というわけで、杏ちゃんも一緒にいきましょうなの」
「どういうわけなのかさっぱりわからないわよ……」
「お姉ちゃんは本当に物わかりが悪いですねえ」
「椋には言われたくないわ」
藤林杏は、とりあえず椋とことみだったらしい物体の説明を聞き終えた。
ぶっとんだ話でわけがわからなかったが、どうやらことみは椋にたぶらかされたらしい。
「椋はともかく、ことみまで性欲に溺れちゃうなんて……」
杏は心底呆れていた。あまりの展開に、朋也の後に椋やことみも殺す気だったことは忘れている。

「性欲を馬鹿にしてはいけないの。性欲がなかったら生物は皆絶滅するの。
性欲は生理的欲求、つまり食欲、睡眠欲と並ぶ人間の基本的な欲求の一つなの。
生理的欲求はマズローの欲求段階説で最も低次の欲求として位置付けられていて、
人間はまずこの欲求が満たされることを望むものなの。
だからもっとセックスするの」
「その通りですよ。セックスに勝る快楽など存在しません!
お姉ちゃんはもっとセックスの素晴らしさを理解するべきです。
いいですかお姉ちゃん。相沢祐一、私は彼を超えるイケメンなど見たことがないです。
きっと今後も現れないことでしょう。
彼とセックスしなければ、私は死んでも死にきれません!」

 力説する椋とことみを、杏は冷めた目で見つめる。
「あたしは朋也一筋! たとえ裏切られても、他の男なんて御免よ。
その祐一とやらがどれだけかっこいいか知らないけど、あたしは興味ないわ」
「まだそんなこと言ってるんですか。
朋也くんはお姉ちゃんなんて眼中になかったこと、思い知ったはずなのに」
「『いや、待て。俺たちは普通に友達の関係じゃなかったか?』なの」
「なんですって!」

 二人の言葉により、杏に殺意が甦った。
「そう言えば……椋も朋也とヤったとか言ってたわね!?」
「私、朋也くんと寝たの」
「椋ちゃんが言っても似合わないの」
「ふふふふふ……ええ、姉妹だもの。
椋が朋也みたいなイケメンを放っておかないことぐらいよくわかってるわよ。
でも……でも椋だって、あたしの気持ちぐらいわかってたはずよ!」

「はい、もちろん知ってましたよ。
ともやくんのために しょじょをまもる そのすがたは
わたしさえも かんどうさせるものがありました
わたしは このかんどうを あたえてくれた おねえちゃんに おれいがしたい
しんの かいらくというものを おしえてあげましょう」
椋は杏を小馬鹿にするような口調でそう言った。杏の瞳に怒りが宿る。
「こ、殺してやる!」
「元から殺す気だったくせに」
「放送を聞いて自棄になっていたときとは違うわ。
もうあなたを妹だなんて思わない!
苦しんで、苦しみぬいて死ぬがいいわっ!!」

「せいしんに ケンカをうるとは…… どこまでも たのしいきょうちゃんなの」
「どうしても ヤるつもりですね これもしょじょのサガか……
よろしい せいよくのとりことなるまえに せいしんのちから とくと めに やきつけておけ」
椋とことみは棒読みでそう言った。

「ば……馬鹿にしやがってーー!!」
杏は素早く包丁を拾うと、それを構えて性神に襲い掛かる。
しかし性神は上空に浮かび上がり、軽くその攻撃をかわした。

「いきなさい! トモヤ!」
椋から伸びていた触手の一本が、するりと抜け落ち杏へ向かって這っていく。
「朋也? な、何これ!?」
そしてイケメン触手トモヤは、蛇のように杏に絡みついた。
杏は触手に縛り上げられ身動きが取れない。

「こんなイケメンに向かって、『何これ!?』はないんじゃないですか?」
「杏ちゃんみたいな未熟者に、触手のイケメン度を計るなんて無理なの」
「そうでしたね。所詮バイブとイノシシでオナニーしてるだけのお姉ちゃんに、
触手プレイの快楽などわからないのでしょう」
「あ、あたしは朋也への愛のために生きてるの!
性欲だけで生きてるあんたたちみたいな淫乱ヤリマンとは違う!」
「そう言ってられるのも今のうちですよ」
「愛はセックスを彩る一つの感情に過ぎないの。
セックスの本質は快楽の追求にあるの。杏ちゃんは何もわかっていないの」

 トモヤは杏の毛穴から皮膚の下に潜りこんでいく。
「きゃ! いや! やめて!」
「その子はイケメンの体内に寄生するんです。
どうやらお姉ちゃんは、その子に認められたみたいですね。
よかったじゃないですか。トモヤくんと一つになれて」
杏は椋を睨み付ける。そこにある顔を、悪魔みたいだと杏は思った。

「あ、あたしをどうする気?」
「言ったでしょう? 真の快楽を教えてあげるって。
私はお姉ちゃんに、イケメンセックスの素晴らしさを理解して欲しいだけです」
その瞬間、杏の全身を毛虫が這いずり回るような感覚が襲った。
「くぁ! いやっ! 気持ち悪いっ! ぐはぁ!」
「わかってないですねえ」

 そして杏の背中からごつごつとした触手が生えた。
それが動く感覚に杏は身震いする。
「うあーっ! 何なのよこれ! いやーっ!」

「生身のお姉ちゃんでは私たちとのセックスに耐えられませんからね」
「杏ちゃん処女喪失の瞬間なの」
トモヤは杏の処女膜を突き破らんと、杏のヴァギナへ向かっていく。
「そうは……させないっ!」
杏の股間からは、既に大量の愛液が流れ出ている。
しかしトモヤがその割れ目に入り込もうとしたとき、
そこはピッチリと閉まって触手の侵入を食い止めた。

「あら?」
「あたしの処女は……朋也の……もの……なんだから」
杏はさらに膣に力を込める。
トモヤはそこを開こうと愛撫を繰り返すが、全く開く気配はない。

「仕方ないですね」
「私たち自らがヤってあげるの」
必死で触手の侵攻をガードする杏の前に、セックスの神が舞い降りる。

「これでも咥えてろなの」
ことみはそう言うと、手に持った性剣を杏の口に差し入れた。
「んっ! ……っ!」
口に入ったその剣は、それ自体が意思を持っているかのように激しく振動する。
その太さゆえに、杏はもう声を上げることが出来ない。
だが彼女は、それでも膣の力だけは緩めなかった。
「往生際が悪いですね。本能に身を任せれば、とても気持ちよくなれるというのに」
しかし椋は、姉の最後の抵抗を愉しんでいるようだ。

「杏ちゃんの処女、いただきなの」
そしてことみは、膣以外既に力が入っていない杏を押し倒した。
杏の口から剣を引き抜く。その先からは白濁液が零れ落ち、杏の顔に降り注いだ。
「げほっ! げほっ! いや! こんなの飲みたく……ないのに!」
大量に放出されたその液体は、既に杏の胃を埋め尽くしている。
(汚された……こんな……よくわからない……モノに……)

 強いショックを受けながらも、杏は処女だけは死守しようとする。
しかし次に目にしたものは、彼女の想像を遥かに超えていた。
「うそよ……そんなの……入るわけない……」

 ことみの股間にそそり立つそれは、太さ20センチを優に超えている。
びくびくと震え、多数の血管が浮き出たことみのペニスから先走りの汁が噴出した。
「あつっ!」
それは杏の足にかかると、ジューと音をたててそこを溶かしていく。
「ぎゃー!」
「ことみちゃん特性の硫酸精液なの」
「膣が焼けるように溶けていく感覚が堪らないわよね」
「そんなの……死んじゃうわよ……」
杏の目から涙が零れ落ちる。
「大丈夫よ。トモヤくんが守ってくれるわ」
ことみは無慈悲にもその極太肉棒を杏に突き立てた。
神の力が、その鉄壁の守りを突き崩す。
ぷつんという音とともに、破瓜の血が流れ落ちる。
「いやーーーー!!!!」
杏の絶叫が大地を揺らした。



「うぅ……あたしは一体?」
「お姉ちゃん、目を覚ましましたか?」
杏はあたりを見回した。自分は裸で、球状の物体から突き出しているらしい。
「さあ、次なるイケメンを探しにいきましょう」
「そうね……あたしが間違っていたわ、椋」
「イケメンはみんな家族なの」
「私たち、イケメンセックス大家族です」




 一ノ瀬ことみ・藤林椋・藤林杏 融合体
 【時間:2日目午前1時ごろ】
 【場所:E−05】
 【持ち物:書き手薬×2、性なる剣、性なる鎧、ベレッタM92、包丁、イケメン触手キョウ、イケメン触手トモヤ、支給品一式×3】
 【状況:性神(The God of Sex)】
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