柊勝平は放送直後、夜まで行動しないはずだったが取り憑かれたように鎌石消防分署に急行していた。 彼は少し前までは快楽的殺人を行うマーダーでしかなかった。 しかし今は違う…勝平は、数減らしのために殺戮を担当する死神の役割を与えられたからだ。 (奴らが原因だ…まずはあの二人を殺してからでないと気がすまない!!) 引きつった顔に怒りの表情…。 脳裏に焼きついた記憶の欠片、自分の投げた手投げ爆弾で醜く死んでいく断片… 都合よくワープしたかのように逃げた女、都合よくワープしたかのように現れた男の顔を記憶、 (自分が楽しむんじゃなく…ギャラリーを楽しませるのだったね…。) 断片的な自分の記憶の欠片、『自分が死んだ原因の一部』も忘れていなかった 反省を活かし行動する、チャンスを与えられた、やるべきことをやるだけだ…。 片手には手榴弾、そして都合よく手に入れた電動釘打ち機16/16を持って走り出す (そう言えば、あんな奴もいたなぁ…。) ブロック壁の影から消防分署まで一目散に駆けていく勝平を見守る(30番)北川潤だ。 (さ〜て、どうなるやら…。) 気持ちは解かるんだけどね、と言いたげな顔つきでため息をつく北川 (まっ…あの調子だと今晩中はあの二人には手は出さないだろう) さっきまで一緒にいた広瀬と遠野の身を案じる、別れてすぐさま誰かに殺されたら気分が悪いからだ。 走っていく勝平の後ろすがたを、がんばんなさいねと手をヒラヒラと掲げる。 勝平の影を見送ると同時に北川は自分の行動に移り出す。 (しかし…ヤル気マンマンだな…。) あの時とは違う二人の男、北川潤と柊勝平、二人の行動の意味は!? そして北川の言う「アイツ」とは? 柊勝平 【時間:1日目午後6時30分頃】 【所持品:電動釘打ち機16/16、手榴弾三つ・首輪・和洋中の包丁三セット・果物、カッターナイフ・アイスピック・他支給品一式】 【状態:暴走、記憶の断片による祐一と杏への復讐】 北川潤 【時間:1日目午後6時30分頃】 【持ち物:SPAS12ショットガン(8/8+予備4)防弾性割烹着&頭巾 九八式円匙(スコップ)他支給品一式、携帯電話、お米券×2 】 【状況:同情、新しいターゲットを探す】 【場所:C−05 鎌石消防分署まで数100m】 - BACK