「一弥と」 「マリーの」 「「なぜなに設定資料コーナー!!」」 「こんにちわ、僕は司会の倉田一弥。このコーナーでは、 本編ではなかなか語ることの出来ない隠された設定を紹介していくよ」 「Bonjour. わたくしは相方の相沢マリーですわ」 「今回のお題はずばり、『7年前の華音市での戦い』について」 「祐くんが唯一者として覚醒するきっかけとなった戦いですわね」 「うん。一般には知られていないけど、この戦いは唯一者狩りを目的としたものだったんだ。 唯一者というのはね、世界そのものとして生まれたただ一人の特別な運命を背負った者なんだ。 唯一者はその先代が使命を終えて亡くなったときに、銀の羽を持つ者として誕生するんだよ。 それが誰になるかは神のみぞ知るといったところかな。 そんな運命に選ばれるなんて、祐一お兄ちゃんてかっこいいよね」 「もちろんですわ。祐くんよりかっこいい方などこの世に存在しませんもの。 ところで祐くんの使命というのは何なのかしら?」 「そんなネタバレ質問には答えられないよ。 唯一者は覚醒するまでその存在を隠されて育てられるんだ。 だから祐一お兄ちゃんが唯一者であることは、 秋子さんと亡くなった先代相沢家当主しか知らないはずだったんだ」 「しかし久瀬家は、華音市に唯一者がいることを突き止めたのですわね」 「うん。詳細はわからないけど、政府や来栖川のバックアップを受けていたらしい。 異能者を忌み嫌う久瀬家としては、他人の魂を生きる糧とし、 常識を超えた様々な能力を持つ唯一者をなんとしても排除したかった。 そんなことをしても本当は意味がないんだけどね」 「そしてその戦いは皮肉にも祐くんを覚醒させることになったのですわ」 「久瀬家は誰が唯一者なのかまでは突き止められなかった。 だから『疑わしきは殺せ』の旗印の下に、僕たちのような大勢の無関係の子供たちが犠牲になったんだよ。 129『賭け』でお姉ちゃんが言ってる『佐祐理の罪』とは、このとき僕たちを助けられなかったことなんだ」 「酷い話ですわ」 「久瀬家は最初は暗殺を繰り返していたんだけど、水瀬家が真相に気付いたために全面戦争に発展した。 関係者の多くは記憶を失っているし、対外的には伏せられていたから一般市民は知らないことだけどね」 「この戦いには狙われていた子供たち自身も参加し、大勢が死亡した。 生き残った人でも、呪いで不治の病を患った栞さんのように後遺症を持つ者が少なくない。 そしてこの戦いで最も活躍したのが、祐一お兄ちゃんの親友だった月宮あゆ」 「彼女が木から転落したことが祐くんが覚醒するきっかけとなったんでしたわね」 「そうだよ。そして祐一お兄ちゃんが引っ越していったことで、この戦いは一応の終わりを向かえたんだ」 「引っ越していった先では何があったのかしら?」 「それはまたの機会に。今回はこの辺でおひらきにするよ」 「「またねー!!」」 倉田一弥 【場所:設定資料コーナー】 【設定:7年前の唯一者狩りで久瀬家の刺客に殺された佐祐理の弟。Sランク。属性は闇。 祐一に憧れるショタ。彼を助けられなかったことは佐祐理のトラウマとなっている。】 【状態:無駄な設定資料集はU−1SSの醍醐味だよね】 相沢マリー 【場所:設定資料コーナー】 【設定:7年前の唯一者狩りで久瀬家の刺客に殺されたの祐一の従姉。Sランク。属性は光。ハーフ。 当時はフランス相沢家からバカンスに華音市に来ていたところだった。祐一を可愛がるお姉さま。】 【状態:馬鹿みたいに長い設定資料集を見てSS本編を読む気が失せた経験はないかしら?】 - BACK