みづきまなのしらないばしょで




「うんうん、マナちゃん順調なようだね。
 キリシマ博士もいい子見つけてくれて良かったわ〜」
「そうですね、開始一日目ですでにクラスBを二つなんて想像を絶するスピードです。」

主催者達とは別の部屋のモニターにて、島の様子を見守る男女がそこにいた。
貴族のような豪華な椅子に座り、片手ではワインをくゆらせながら女は問う。

「里村茜の方はどうかな?」
「現在、クラスBのガールズパワーを一つ回収した模様です。」
「そう・・・厄介だね〜、やっぱりっ」

溜息。まず、女としてはGL側の人間が主催の方に近いことすらやりずらい現状であった。
あちらは支給品に図鑑を混ぜられたのに対し、こちらは危険を省みず持ち込むことから考えなければいけない。
上手くいったからいいものの・・・失敗したら、まずキリシマ博士が無事でいられることはなかったであろう。

「ただ、図鑑はあくまでカップリングに対する保持者の萌えパワーがなければ成り立ちませんし。
 里村茜自身が自分に萌えることもないでしょう、それだけが救いですよ」
「にゃはははは☆彼女が自ら葉鍵の女の子達を狩っちゃったら、もうこっちの不利にも程があるもんね!
 ここら辺は図鑑の性能の限界に感謝感謝〜」
「これからどうします?キリシマ博士に連絡をとり、指示を仰ぎますか」
「今はいいわよ、進行に問題ないっしょ」
「・・・キリシマ博士、この子に全てを伝えなかったようですし、それが裏目に出なければいいのですが・・・」

男は今一度、モニターの中のマナに目をやった。
夢中で春原陽平と住井護の交尾シーンを見つめる姿は純粋そのもの、あどけない少女のものである。

「BL図鑑で集めたボーイズパワーは確かにガールズパワーを相殺するものの、
 その代わり少しでもガールズパワーを上回った場合はこちらのプロジェクトが実行されるということ。
 それが、真のBL計画の目的だということを」
「BL計画終末作戦『モーホーパラダイス(略してモーパラ)』、
 全葉鍵キャラを柳川色に染める乙女の夢・・・う〜ん、ゾクゾクしちゃうね!!」

「統帥、落ち着いてください」
「ああんっ、ごめんごめ〜ん☆
 ・・・でも、あなたがこちら側についてくれるとは思わなかったわよ、みやたくん。
 スフィ−ちゃんなら面白がって同調してくれるとは思ったけど〜」

統帥と呼ばれる女の不思議そうな眼差し・・・宮田健太郎は、苦虫を噛み潰したような表情でそれに答えた。

「俺、存在感ないですから・・・」
「にゃははははは☆そんなこと気にしてたら生き残れないぞ〜」
「で、でも・・・ぐす、まじアン自体『パンパン』としか言われないし、もう俺どうしようかと・・・。」
「や〜んもう、泣かないでっ」
「ゆ、結花は結花でリアン抱えてGL側いっちまうし、もう俺、ひっく、ほ、ホモでも何でもいい、で、出番が・・・欲し・・・」

涙する健太郎を、女は優しく胸に抱く。
その温かさに、彼の涙腺は緩む一方で。

「頑張れみやたくん、君ならきっといいへたれ攻めになれるよ!!」
「とうすい・・・」

女・・・BL計画司令部統帥、葉賀玲子は彼の背中を撫でながら、強い決意を口にする。

「全ては『モーホーパラダイス(略してモーパラ)』のために!
 頑張ろうね、みやたくんっ!!」
「うーん、おっぱいおっぱい」
「にゃははははは☆みやたくん、裸エプロンの刑になりたいのかな?」




葉賀玲子
【時間:2日目午前0時近く】
【場所:主催者達とは別の部屋】
【所持品:いおりゅん衣装、貴族椅子、ワイングラス、コルトガバメント】
【状態:やる気満々】

宮田健太郎
【時間:時間:2日目午前0時近く】
【場所:主催者達とは別の部屋】
【所持品:五月雨堂エプロン、コルトガバメント】
【状態:おっぱい】
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