岸田洋一は由真と花梨を船室に押し込み、カッターナイフを二人に向けた。 「さあ、おとなしく犯されてもらおうか。 おっと、下手に動くとこのカッターナイフが火を吹くぜ!」 岸田の発言に由真と花梨が固まった。 (こ、この人ギャグセンスおかしいんよ!) 岸田は入り口を塞いでいるため二人に逃げ道はない。 彼が船室に入る隙を突こうと、二人が機をうかがっていたときのことだった。 花梨の全身が急に光を放ち、支給品もろとも粉々に砕け散ったのである。 「か、花梨っ!?」 「何だっ!?」 突然の事態に、由真も岸田も呆気にとられていた。 だが逃げ出すチャンスは今しかない。 花梨に何が起こったのか、それを考えるのは後にまわし、 由真は岸田を突き飛ばして船の外に向かって駆け出した。 「しまった、待ちやがれこの雌豚ッ!」 それを岸田は急いで追いかけた。 定時放送の都合上、とりあえず6時間ぐらい由真は岸田から逃げ続けられたらしい。 凄い体力だ。俺は参った。 紆余曲折の末に、由真はとうとう岸田に捕らえられてしまった。 なお、二人とも疲労のため定時放送はよく聴いていない。 「はぁ、はぁ、やっと捕まえたぜ。一体どういう体力してんだよテメェ」 「そ、それはこっちのセリフよ、この変態……ぜぃ、ぜぃ」 「まあいい。苦労したが、やっとお前をレイプできる。 覚悟しやがれこの雌豚」 「こ、これで勝ったと思うなよっ!」 由真はそう言って岸田の金的を蹴り上げようとしたが、 軽く岸田にいなされ、服を破り捨てられてしまった。 「くっ」 「お嬢ちゃん、処女か?」 どこぞの吸血鬼のようなことを言いつつ、岸田は自慢の男根を由真に突き立てた。 「い……」 由真が悲鳴をあげようとしたそのとき、花梨のときと同様に由真から光が溢れ出した。 「またか、一体何なんだ!」 岸田はその光に巻き込まれ、そして…… ガラクタ人形のなかにいる…… 気が付いたとき、彼は殺風景な部屋の中にいた。 (何処だ、ここは?) 体の自由が利かなかった。どうやら今は椅子に座らされているらしい。 前方にはモニターが置かれており、幼稚園ぐらいの子供が一人それを観ているようだ。 モニターには、髪の色が銀で、目の色が紫で、背中に6枚の銀色の羽が生えていて、 何だかよく解らない凄い鎧を装備した物凄い美少年が戦っている映像が映っていた。 (わけがわからねえ) 岸田は何とか体を動かそうとした。 ぎぎぎ ぎぎぎ 恐ろしいほどにぎぎぎ びっくりするほどぎぎぎ ただひたすらに奇怪な音だけが響く。 (お、おいおい。意味分かんねぇよ! 何だかよく分からないけど、行くぜっ!) さらに頑張って体を動かそうとすると、かろうじて腕が動いた。 ぎぎぎ ぎぎぎ 不気味な音が鳴り響く。 「……なんか変なのがきた」 モニターを観ていた幼女が異変に気付いて目の前にやってきた。 (なんだこのガキ……) 「えいっ!」 彼女は何を思ったか、ガラクタ人形の目に指を突き刺した。 (うおーっ! 目がっ! 目がーっ!) 彼女は満足したらしく、誇らしげにモニターの前に戻っていった。 【時間:すでに終わっている】 【場所:幻想世界】 岸田洋一 【持ち物:なし】 【状態:ぎぎぎ】 岡崎汐 【持ち物:不明】 【状態:ロワ観戦中】 - BACK