柳川さん絶好調




「メッ!!おいたはメッ!!」

つかつかつか、ぱしん!

「痛いっ、な、何するんですか・・・」
「人にこんなモノむけちゃダメです!没収!!」
「返してよ〜、私はそれで冬弥君を守るんだから〜」
「メッ!!こんなもの、こうしてやる!」

ガンガン!!グシャ!

「ふう。これで使い物にならない、と」
「ガーン・・・私の銃が・・・」

柳川の勇士を、楓は見守り続けた。

「ほら、ここ座る!正座!!」
「すんすん・・・うえ〜ん、冬弥君助けて・・・」
「甘えない!」

柳川の説教は三時間弱続いた。
柳川の勇士を、楓は見守り続けた。
ちょっと、由綺が可哀想になってきた。

「フゥ・・・これくらいで許してやるか」
「うえ〜ん、うえ〜ん」
「泣かない!これしきのことで涙を無駄使いしない!!」
「・・・お疲れ様です」

泣き続ける由綺の背を、楓は優しく撫でた。
その時、辺りにノイズがかった人の声が響き渡る。

「・・・定時放送だと?」

緊張がかった柳川の声に、二人も押し黙る。

『2 藍原瑞穂
15 緒方理奈
27 河島はるか
・・・・・・・・・・』

「え?」
きょとんとした由綺の声。
楓が声をかけようとした時だった。

「何?!貴之だと?!!!」

表情が一気に険しくなる柳川。

「・・・いえ、貴明です。42番の河野・・・」
「ノン!貴之が死ぬはずない!!何かの間違いだ!!!」
「ですから」
「俺確かめる!俺行く!!」

柳川は全速力で走り去っていった。
楓の声を無視して突っ走る彼に、二人は二の句が告げなかった。




柳川祐也
【時間:1日目午後6時】
【場所:平瀬村住宅街(G-02上部)】
【持ち物:出刃包丁・ハンガー・支給品一式】
【状況:貴之が死んだなんて嘘だ!】

柏木楓
【時間:1日目午後6時】
【場所:平瀬村住宅街(G-02上部)】
【持ち物:コルト・ディテクティブスペシャル(弾丸12・内6装填)・支給品一式】
【状況:貴明です】

森川由綺
【時間:1日目午後6時】
【場所:平瀬村住宅街(G-02上部)】
【持ち物:破壊された89式小銃・支給品一式】
【状況:誰?】
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