「うぅ、観鈴……俺はこんな変態にキズモノにされてしまったよ…… しかもガキに見られたし……orz」 高槻の精液を全身に塗りたくられ、国崎往人は激しく項垂れていた。 傍に落ちている人形も白い涙を流している。 「あぁ……代々受け継いできた大切な人形までこんなに汚れてしまった…… これはもう捨てるしかないのか……」 往人がそう呟いたとき、人形は不意に浮かび上がり眩い光を放って穢れを吹き飛ばした。 『我が子よ… よくお聞きなさい。 こんなことにめげて人形を捨ててはなりません。 こうなったのも貴方が翼の少女を探すのをサボってこんな島で遊んでいるからです』 「いや、無理矢理連れてこられた上に遊んでいるわけじゃないんだが……」 『口答えするのではありません。 いいですか、さっさと翼の少女を探すのですよ……』 言いたいことだけいうと、人形はポトリと地面に落ちた。 スッキリして電波の影響が抜けた高槻が、呆けている往人に声をかける。 「その……なんだ、すまなかった」 「謝れば済むと思ってんのかっ!」 往人は思わず高槻の胸倉につかみかかった。高槻の顔はうっすらと赤みがかっている。 往人の背筋に悪寒が走った。 「いや、しかし……その……なかなかよかったぞ……」 ───ぞーっ─── やばい。ここにいてはやばい。 往人は落ちているものを急いでかき集めると、バッグの一つを高槻に投げつけて逃げ出した。 「逃げるぞポテト!」 「ぴこー!」 「待て! 俺を置いて行くなー!」 かくして往人、ポテトと高槻の追いかけっこの幕が開けた。 「まだ追いかけてくる気か!」 「頼むから止まってくれ!」 延々1時間ほど走ったところで、往人は木の根につまずいてしまった。 「しまった!」 「つかまえたぞ!」 もう終わった、そう思ったとき、往人は背中をつかまれ体が宙に浮かび上がるのを感じた。 高槻の驚愕の声が響く。 「なっ、なんだこいつはーーー!!」 そいつは犬らしき胴体に巨大な翼を持ち、 尻の辺りから黄色い目と鋭い牙を持った大蛇を生やしている。 そして口には巨大な杖を銜えていた。 「ありがとう、助かった」 「全く世話のかかる奴だぴこ」 往人は助けてくれた人物を確かめるべく、首を後ろに回した。 「って、何者だお前ー!」 「常連客を憶えていないとは酷い奴だぴこ」 「……ポテトなのか?」 「さっきの電波で封印が解けたぴこ」 「……」 ──────────────────────────────────── (人形に御魂をこめて早千年……よもやこんな辱めを受ける日が来ようとは…… 往人さまにはああ言ったものの、わたくしの心はずたずたでございます……) (俺もだ裏葉……もうゴールしてもいいだろうか?) ──────────────────────────────────── 国崎往人 【時間:午後9時半ごろ】 【場所:F−06上空】 【所持品:人形、トカレフTT30の弾倉×2、ラーメンセット(レトルト)、化粧品ポーチ、支給品一式×2】 【状態:呆然としている】 高槻 【時間:午後9時半ごろ】 【場所:F−06】 【所持品:支給品一式】 【状態:セックスは女とするもの、そんな風に考えていた時期が俺にもありました】 ポテト 【時間:午後9時半ごろ】 【場所:F−06上空】 【所持品:なんかでかい杖】 【状態:魔犬モード(毛の色は白銀。目の色はコバルトブルー。物凄く毛並みがいい。背中に巨大な翼。尻尾は大蛇)】 柳也・裏葉 【場所:往人の人形の中】 【状態:orz】 - BACK