「―――ん……ぅ、ん」 固い地面の感触に、浅い眠りから意識を覚ます。 寝惚け眼で辺りを見渡す湯浅皐月(113)の視界に、一人の少女の姿が映った。 「どうしよどうしよ……。もう寝てから何時間経ったんだろ。早くタカくんとお母さんを探さなきゃいけないのに。 でもでも、このお姉さんを見捨てるわけには……。いやいや! わたしはこの人を撃とうとした訳で―――」 少女―――柚原このみ(115)が何やら試行錯誤をしてうろたえる様子を、冷静に眺めて現状の把握に努める皐月。 意識を失う前に記憶していたのは、隙を狙って襲撃しようとしていた女を追い払った場面までだ。 そこから記憶が途切れていたために、理由は分からぬが気絶したのだろう。 ともかく、未だ皐月が目覚めたことに気付いていないこのみが、自分の眼前をうろついているのは目障りだったため、静かに声を掛ける。 「―――だからといって、見捨てるわけには……一応助けてくれた訳でもあるし―――」 「ねえ」 「ひゃうぁっ!!」 突然の声に、このみは飛び跳ねた。 慌てて振り向いたこのみは、何時の間にか目を覚ました皐月の姿を見て凝縮する。 確かに皐月への対処に行動を決めかねていたこのみだが、興奮していたとはいえ彼女を拳銃で殺そうとした身。 冷徹そうに静観する皐月の様子に、このみは今更ながらに罪悪感が湧き出てきた。 呆れられるのか、怒られるのだろうか。もしくは殺されてしまうのだろうか。 そういった心配を、脳内で反芻させて怯えた子犬のような視線を皐月へと寄せるこのみ。 その反応に、皐月は小さく嘆息する。 「……そんなに怯えないでもらえる? 獲って食べたりはしないから」 「い、いや、でも……」 「……なに? あんたから見たらあたしは極悪人に見える訳?」 「とんでもない! 感謝の思いでいっぱいであります!」 「……そう。ならいいわ」 狼狽するこのみを尻目に、皐月は自分の水を口に含みながら思考する。 どうやら空に赤みががっているのを見ると、現在は夕刻時なのだろう。 ゲームは日中に開始されて、一時間も経たぬうちにこのみと遭遇して直に気絶。 かなりの時間、意識を失っていたことになる。 我ながら無防備なほど迂闊であった。 こんな状況下で、よく無事に目覚めたものだと思える。 気まずそうに俯いているこのみとて、決して信用できる相手ではないのだ。 彼女は今でこそ大人しくしているが、元はゲームに乗っていたはずではないのか。 場の勢いか、錯乱していたのか、開き直っていたのかは解らぬが、確かに殺意は存在していた。 本当によく生きていたと思える。 このみが意外と義理固く、そして心を入れ替えてくれたのならば、皐月にとっても幸運であった。 申し訳なさそうに頭を垂れている彼女を見ていると、今のところ命の危機はあまり心配しなくてもよいだろう。 とりあえず、このみに関しては一時置いといて問題ない。 今は、それよりも気になる兆候があった。 自分の状態に関してだ。 (―――そもそも、あたしはこんな状況で冷静に思考できるような性格だっただろうか……) 何故か不安や焦燥を感じることができない。 この殺し合いを、平然と客観的に見詰める度胸が自分にはあっただろうか。 泣いて震えるような真似は流石にありえないが、それでも幾らかは混乱し、そして主催者への怒りを表すはずである。 しかし、そういった感情が浮んでくる予兆は見られない。 何かが欠落してしまったのだろうか。 原因に探りを入れてみると、一つだけ心当たりがあった。 皐月はおもむろに自分のバックを漁り、あるモノを取り出す。 唐突な行動にこのみはびくりと身構えるが、好奇心が勝った為に声を掛ける。 「―――えっと、それはキノコだよね……」 「……そのようね」 皐月が取り出しのものは、何の変哲もない茸。 島に来て最初に行ったことが茸を食したことなので、思い当たることといえばこれぐらいだ。 他に何かないかもう一度探ってみたところ、一枚の羊皮紙がはらりと落ちる。 拾って適当に流し読みしてみたところ、どうやら茸―――セイカクハンテンダケの説明書のようだ。 内容は――― 『あなたの支給品は世にも珍しい茸―――セイカクハンテンダケ! 使用するとその名の通り性格が反転してしまいます。 継続時間はおよそ二十四時間。さあ! これで自分の新たな可能性を垣間見ましょう!!』 これは完全に毒茸の一種じゃなかろうか。 ある意味美食家であった皐月が、躊躇なく興味本位で手を付けてしまったというのも無理からぬこと。 だが、何の警戒心も浮んでこない反転前の自身の行動にも愕然としてしまう。 説明書をよくも読まずに食したものだ。 自分のことなのに、まったくの他人が行動したような不思議な感覚に囚われる。 恐らく気絶したことは、反転の作用による弊害だろうか。 可笑しな考えだが、数時間前の自分にはもう少し落ち着きを払って欲しいものだ。 しかし、反転してしまったものはどうしようもないが、意外と得策であったかもしれない。 物事を無心に、且つ冷静に行動できる今の自分なら、少しは長生きが出来そうだ。 無表情で説明書を破り捨てて皐月は立ち上がる。 「あ、あぁ! わたしにも読ませてくれたって……」 「あたしの行動にケチをつけるの? いい度胸ね」 「め、滅相もない! えとえと……当方はタカくん達を探す用事があるので失礼をさせていただきたいのですけれど―――」 「駄目よ」 「な、ナゼに?」 「あんたのその拳銃……あたし気に入ったのよ」 「えぇぇ!? だ、駄目だよ……これはこのみのだもん!」 必死に自分の支給品を胸で抱きしめるこのみに、冷たい目線が突き刺さる。 無機物を見るかのような絶対零度の視線に、このみは既に涙目だ。 小動物を連想させる姿を見ても、皐月の表情は一向に変わらない。 スッと伸ばされた掌が、このみの眼前に出される。 友好の証に握手をしようという意味ではない、いいから早く出せという催促だ。 「ダメダメ絶対にダメっ! これがないとタカくんもタマお姉ちゃんも守れないよ! これがないと……」 「……それはつまり、あたしの意向には従えぬと?」 「ぅぅ……」 駄々っ子のように拳銃を離そうとしないこのみを、鋭い眼光で睨みつける皐月。 竦み上がるこのみに、皐月は面倒臭さそうに肩を竦ませた。 傍から見れば、恐喝以外の何ものでもない。 「……どうしても手放す気はないのね?」 「う、うぅ……。これは渡せないよ……」 「……じゃ、仕方ないわね」 皐月が差し出した手を引っ込めると、ビクリとこのみは震え上がった。 ―――殺されるのだろうか。 腰が引けながら身構えるも、このみの脳裏に不安が過ぎった。 始めに銃口を向けたのがそもそもの間違いだったのだろうか。 彼女の眼光に晒されると何処か逆らえない雰囲気に駆られてしまいそうになるが、それでも尚、気丈に睨みつけた。 これを手放してしまうと、このみには何も出来なくなる。 常日頃守られてきた貴明や環、雄二を手助けすることが出来なくなる。 日常でも助力を買い、さらにはこんな状況下でも助けてもらおうだなんて、虫がよすぎる話だ。 自分のことで精一杯のはずなのに、それでは居た堪れない。 だからこそ、このみは決して足を引っ張らないように、そして幼馴染達に本当の意味で信頼してほしい。 命を預けても、安心して任せられるような真柄にだ。 「こ、今度はわたしが、このみが皆を守るんだもん……」 「…………」 「―――だから、だからっ。これは渡せないよ……!」 このみが唇を噛み締めながら言葉を吐く様子に、皐月は無表情に見つめること一時。 そして、皐月は至極あっさりと視線を外して、自身のバックから地図を取り出した。 固まるこのみを放置して、地図を指で辿り始める。 「……え? い、いや……何もしないの……?」 「何かして欲しかった?」 ぶんぶんと髪を振り乱して首を振ることで否定する。 何故かは分からぬが、どうやらこのみに危害を加える気はないようだ。 一先ず安堵の息を洩らして、今度は皐月の行動に目を寄せた。 「えと、それじゃ何を……?」 「……とりあえず目的地を決めるわよ」 「はぁ……。そうなんだ」 「他人事のように聞いているけれど、当然あんたも同行するのよ」 「―――え゛。そ、そんなこと聞いてないよ〜」 「今言ったもの」 何を可笑しなことを、そう言わんばかりのぞんざいな反応。 てっきり諦めて見逃してくれると信じ込んでいたこのみだが、結局は手綱を放しはしないということか。 「でも! わたしはタカくん達やお母さんを探さなきゃ……」 「闇雲に歩き回って見つかると思っているの? それとも、あたしにしたように威嚇して聞き出す?」 「い、いや……あれは何と言うか……」 「……周囲の警戒が疎かになっていたんだから。そのタカくんとやらと会う前に死にたいの?」 「うっ……」 「そして、このあたしが計画的、且つ安全に人探しを手伝ってあげるといっているのよ。他に言うことはないのかしら?」 「あ、ありがとうございます……。いや、なんか違うような……」 「―――村が一番近場だけど……避けた方が無難ね」 「うぅ……。既に同行は前提でありますか……」 皐月の傍若無人な振る舞いに、このみの意見は既に通りそうにない。 あまり関わりたくないと思っていたこのみにとって、彼女の意向は嬉しいものでもあるが、同時に息苦しくも思ってしまう。 そもそも、このみが皐月へと銃を向けたのが発端であるからして、自身は捕虜同然の身。 強く反論できる筈もなく、気軽に意見を口出せるような真柄でもない。 拳銃は手の内にあるというのに、何故か逆らえる雰囲気ではなかった。 悪い人柄だとは思えぬが、相性というものもある。 皐月にどんな言葉を投げ掛けても、能面の様な表情は変わらないのだ。 基本的に人当たりが良かったこのみでも、目覚しい反応を返さない皐月は取っ組みづらい。 項垂れたこのみを無視しつつ、勝手に考えを巡らせる。 「……あたし達のスタート地点は恐らく分校跡。そうよね?」 「えっ? う、うん。わたしもそこからここまで来たから……」 「遠目から確認できる集落は平瀬村。現在位置はこの辺りよ」 地図に指を添えて、このみへと目を向ける。 ようやく会話に参加できる許しを得たようなものなので、彼女は少し居直った。 そんなことしたとしても、既にこのみの意向を挟みこむ余地がない程に方針は決まってはいたが。 「……平瀬村が近いね。ここに行くの?」 「あんたは野宿とかしたことある?」 このみの質問に応じず、質問で返す皐月。 この返し方は意外と気分のいいものではない。 だが、このみの発言が潰されるのは今に始まってことではないので、彼女は諦めて小さく首を横に振る。 「そうね。参加者の大半がそうよ。ちなみにあんた……仮に一人だったとしたら今日の夜は何処で過ごす?」 「それは……せっかく村があるんだからそこで……あ、そっか」 思い至ったこのみは成る程と頷いた。 このみのように野宿に慣れれていない参加者達が、屋根を求めて集落に集まるのは至極当然のこと。 皐月のようにその行動を読んでいるものからすれば、普通に考えたら村には近づかない。 そして、ゲームに積極的に乗ったものは、必ず人が多く集まる場所を襲撃するはずだ。 時間帯で言うと、決まって緊張が緩んだ深夜だろう。 そんな場所へは到底近づきたくはないし、自身がマーダーだったら必ずそこで一網打尽にする。 村への捜索は早朝から日中の内が一番安全だ。 だが、そんな考えも理解できるが、このみには納得がいかない。 「でも……」 「でも、なによ?」 言いにくそうに口を噤むが、それでも意を決して口を開く。 「わたしは少しでも早くタカくん達と合流したい……。もしかしたら、村にいるかもしれないんだよ。だったら―――」 「ダメね。もうすぐ日が暮れる。街灯もない暗闇の中でどう探すの? まさかとは思うけど、支給された電灯で馬鹿みたいに照らしながら村を闊歩するの?」 「…………」 「問題外よ。再会できる確立より、あんたがマーダーと遭遇して殺される確立の方が高いのよ。村には行かない、いいわね?」 皐月の相変わらず遠慮のない物言いに、反論できない悔しさからか涙が滲み出る。 少しでも早く母親や幼馴染達と合流したい。勢いに任せて探し回りたい。 だが、今のこのみの理性は皐月がしっかりと握っている。 このみにとって自制を利かす皐月の存在は非常に重要な位置を示していた。 それでも、内心疎ましく思ってしまう感情を抑えながら、皐月の言葉に渋々と頷く。 「村へは早朝の時間帯に向かうわ。それまでは村近辺、一先ず菅原神社を目指すから」 「……うん」 このみの弱弱しい返事を横目に、皐月は身支度を整えて歩き出す。 皐月に逆らって逃走を図ろうと考えもしたが、確かに皐月の方針のほうが合理的だ。 貴明達の手助けをしたいと思う前に、まずは自身の安否に気をつけるべきである このみは不満の表情を表に出しつつ、とぼとぼと皐月の後を追った。 当たり障りのない会話をしながら彼女達が菅原神社へと向かう道中に、島中に男の声が響き渡る。 現在時刻六時。最初の放送だ。 『―――これから発表するのは……今までに死んだ人の名前です―――』 始めは響き始めた男の声に困惑としていたこのみだが、その一言に表情を硬くする。 二人は立ち止まって聞き入った。 このみは皐月へと視線を寄せるが、何を考えているのか解らないほどの無表情だ。 着々と読み綴られる死人の名前。 全ての名前が読み終えた頃、このみは大きく息を付いた。 「よかった……。タカくん達も無事だ……」 幼馴染や母親、親友達が無事であった安堵もあるが、本当に殺し合いが敢行されていると実感する。 今のところ死体や殺し合いを目撃してはいないものの、物騒なものが支給されている以上、争いは避けられないのだろう。 ともかく、このみの関係者は全員無事である。 ならば皐月はどうなのだろうか。気になったこのみは問い掛けようとするも、彼女は何事もなく歩き出してしまった。 「あ、あの。どうだったの……?」 皐月とて知り合いの一人や二人はいる筈だ。 特に反応がないということは、皆無事だったのかと考えるのが普通である。 皐月は完結に一言、結果だけを伝えた。 「親友が一人いたぐらいね」 「……え?」 余りにも口調が普通だったものだから、危うく流してしまいそうになった。 事実を理解すると、驚いて皐月の顔を見詰める。 依然と歩き続ける皐月へと話しかけるのは憚れたが、それでも口を開いた。 その時は、悲しみを押さえ込んで涙を堪えている、そう推測していたこのみだが――― 「あ、ごめんなさい……このみだけが喜んじゃって」 「……何故謝るの? 別に構わないけど」 「でもそれじゃ……。お友達が、その……死んじゃったのに……」 「そうね。残念なことだわ」 「……? あの、仲悪かったの?」 「ゆかりとは本当に心を許しあえる真柄だったけど? それがどうかした?」 「…………」 ここでようやく会話に齟齬が生じていることに気付く。 いや、温度差が明確に二人の間にあるといったほうが正しい。 悲しみを堪えているというよりは、悲しみを感じていないように思えてしまう。 皐月の親友発言が言葉通りだとすれば、その反応はおかしいのではないか。 「……ねぇ、悲しくないの?」 「悲しい? 別に」 「っ! わたしはちゃるとよっちがいなくなったら悲しいよ……。親友じゃなかったの? そんなのって、あんまりだよ……」 「泣けばいいの? ごめんね。そんな暇も余地も、ついでに気分でもないの。ゆかりは死んだ、それ以上何を想うの?」 このみが何を言っているのか解らないと言わんばかりに、首を傾げてみせる皐月。 友への思いやりや労わりは、一欠けらも今の皐月の内心には存在しない。 主催者やマーダーへの怒りもない、死んだ者に憐憫の感情もない。 ゲームの果てに、呆気なく友が死んだ。抱く感想といえばそれぐらいだ。 数時間前の皐月ならともかく、今は感情の突起が酷く少ない彼女には理解できなかった。 何故そうも死に拘るこのみのことも、至極当然のように死を受け入れている自分もだ。 「酷い……。死んじゃったゆかりさんが可哀想だよっ」 「ふぅ……煩わしいわね。そんなことどうだっていいのよ」 「そんなことって……」 「そもそもよ。あんたが人の生死をあたしに諭そうと思っている時点で間違っているんじゃないの? あたしの命を軽んじといて、何を今更……」 「そ、それは……っ」 「言葉を濁すくらいなら始めから発言なんかしないでもらえる? あんたは黙ってあたしに着いて来ればいいのよ」 有無を言わさぬ眼光でこのみを黙らせると、気にすることなく歩き出す。 皐月にとってもこのみは疎ましい存在だ。 今の能書きもそうだし、殺し合いに関しても先の邂逅で注意力散漫であることは解りきっている。 皐月がこのみに同行を許している理由はただ一つ。彼女の支給品を皐月が気に入ったからだ。 このみが拳銃を所持していなかったらさっさと追い払っている。 殺して奪おうとは思っていない。ゲームに乗るつもりはないし、何よりも後先を考えると上策ではない。 だが、勝手に自分を殺し合いの環境に巻き込んだことに対してだけは、主催者側は気に食わなかった。 顕著であった感情はそれくらいだ。後は全ての喜怒哀楽が希薄となっている。 事実、放送でゆかりの名を聞いても心に動揺は見られなかった。 反転前の自分なら泣いて怒り狂うのだろうなと、漠然した思いもあったが、くだらないと切って捨てる。 今はただの冷徹な湯浅皐月。外面は同じでも、内面がまったくの真逆。 取るに足らない感傷に浸り、無駄に時間を浪費する理由がまったく理解できない。 このみに訴えかけられても、迷惑でしかないのだ。 彼女には期待など寄せていないのだから、せめて余計な口出しはせずに黙って欲しい思ってすらいる。 戦闘になったら、このみが持つ銃を拝借して戦えばすむこと。 このみの存在価値など、皐月にとっては有って無いようなものだ。 「……日が落ちる前までには着くわね。さ、モタモタとしてないでさっさと行くわよ」 「―――おかしい、絶対におかしいよ……」 性格が反転したことなど知るよしもないこのみにとって、皐月の冷血ぶりはとてもじゃないが受け入れ難い。 確かにこのみとて他者を蔑ろにしようとしたが、名目上自分の大切な人を守りたいという一心であった。 しかし、皐月に至っては自身に関係する人物すら省みない態度なのだ。逆に気味が悪くて不気味に思える。 このみは唇を噛みながら皐月の背へと不信感の視線を寄せた。 それを受けて尚、皐月の凍った表情に変わりは無い。 お互いがお互いを、まったく信用していない協力関係。自己紹介すらしていない曖昧な関係。 それを共に自覚しながら、二人はそれでも同行する。 いつ崩れ去るとも知れない関係は、酷く不安定に傾いていた。 『湯浅皐月(113)』 【時間:1日目午後6時過ぎ】 【場所:F−02】 【所持品:セイカクハンテンダケ(2/3)・支給品一式】 【状態:普通。反転中につき、クールで冷酷無常な性格に(効力:残り十八時間程度)。菅原神社を目指す】 『柚原このみ(015)』 【時間:1日目午後6時過ぎ】 【場所:F−02】 【所持品:38口径ダブルアクション式拳銃 残弾数(8/10)予備弾薬80発・金属製ヌンチャク・支給品一式】 【状態:普通。皐月に不信感を抱きつつ同行。貴明達を探す】 - BACK