性欲の果てに




 椋とことみの性戦(ジハード)の火蓋が切って落とされた。
「さあ行きなさい、キョウ!」
「杏ちゃん?」
椋の背中から極太の触手が現れことみに向かってゆく。
「この子を見つけたのは忘れもしない、
イケメンを求めて魔界に旅立った十年前の誕生日のことだった」
キョウと呼ばれた触手はことみの目の前で無数に分裂し、
そのうち最も太い一本がことみの女性器に突き刺さる。

「あぁーーー!!」

 ことみは思わず絶叫を上げる。触手はさらにことみの口、菊門、両耳、二つの鼻孔、
さらには毛穴に至るまで、全身の穴という穴に潜り込んでゆく。
「ふふふ、ことみちゃんは鼻でセックスをしたことがあるかしら?
イケメンのペニスが鼻腔の粘膜をこすり、そこに精液をぶちまけるときの快感といったらないわ。
光速を超える激しい摂動で鼓膜を突き破られるのもたまらないわね」
ことみの全身に突き立てられた触手は凄まじい勢いで動き始め、もはや目で追うことなど不可能だ。
「そう、私は皮膚の下に千のイケメン触手を飼う女、藤林椋!
貴方はこの快楽に耐えることが出来て?」

「……っ」

 声にならない声を上げることみに、止めの一撃が加えられた。
ひとつの触手が頭蓋を破り、脳に大量の白濁液を注ぎ込む。
「勝平さんも脳をかき混ぜる程度で満足しているとはまだまだね、調教が足りないみたい」
完全に動かなくなったことみを、椋は飽きた玩具を捨てるかのように投げ捨てた。
「もう少しぐらい楽しませてくれると思ったんだけど……期待はずれだったわね」


 後ろを向いて立ち去ろうとする椋の背中に、思いがけない声がかけられた。
「……しょ、……勝負はまだ終わっていないの……」
ヒドラ並みの再生力により、ことみの肉体が徐々にもとの姿に戻っていく。
全身を血と白濁で染め抜かれながらも、
椋を見据えるその瞳はまだヤれると語っていた。

「嬉しいわ、ことみちゃん。私とのセックスに耐えられる体になってくれたのね。
特別に私の秘技を見せてア・ゲ・ル!」
その瞬間、周りの桃色の景色が一変した。そこは無数の素粒子が生滅を繰り返す無の世界。
「ここは……どこなの?」
「それは貴方の得意分野なのではないかしら?」
悪魔の如き笑みを湛える椋を見て、ことみははっと息を呑む。
「ま、まさかっ!」
「その通り、ここは宇宙の始まりの場所。数多のイケメン宇宙を創ってきたのはこの私の処女膜!
イケメンセックスなくしてこの世界は存在しえないのよ!
さあことみちゃん、一緒にビッグバンを起こしましょう」
結ばれた二人のヴァギナから、淡白い光が放たれる。
インフレーションを起こして急激に膨張を始める秘所から、愛液がたらたらと零れ落ちる。
そして二人の姿は掻き消えた。

「どうだったかしら?」
「気持ちよかったの……」
「ここまで私についてきたのは貴方がはじめてよ……」
椋はゆっくりとことみに手を差し向ける。
「椋ちゃん……」
ことみもその手をそっと握る。

「「貴女はまさしく性敵(とも)だった」」

 椋とことみの全身が光に包まれた。ヤリマンスレで共に過ごした日々の思い出が甦る。
5万Pした日のこと、まんこにTNT火薬をつめた日のこと、銀河系を挿入した日のこと……

「さあ、イケメンセックスの旅に出かけましょう」
「わかったの」


 二人が合体した日のこと、そんな日のこと。




 一ノ瀬ことみ・藤林椋 融合体
【時間:実時間が始まる前の虚数時間】
【場所:宇宙の始まりの場所】
【持ち物:書き手薬×3、性なる剣、性なる鎧、ベレッタM92、イケメン触手キョウ、支給品一式×2】
【状況:性神(The God of Sex)】
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