どんな時も自分らしく




「あ………」
「―――っ!?」
皐月の一撃を受け敗走中だった名倉友里は海岸を歩いている伊吹風子と偶然でくわした。

直ぐ様友里は応戦しようとしたが、自身の武器はあの時あの場所に置いていったことを思い出す。
(――しまった………)
その隙をついて今度は風子が動く。
自身のバッグに両腕を突っ込んで………

「これあげますっ!」

と知っている人にはすっかりお馴染みの木彫りのヒトデをバッグから取出し友里に差し出した。

「はぁ?」
無論、わけがわからない友里は頭のうえに大きな?マークを浮かべる。



「つまり友里さんはこのゲームに乗ろうとしているんですね?」
「まあね。そういうあなたはどうなの?」
「風子はゲームなんて興味ないです。風子は普段どおりヒトデを掘っているこそが風子なんです!」
「―――馬鹿ね。そんなことしていたらいずれ無駄死にするだけよ」
「そんなこと関係ないです。風子はどうなろうともお姉ちゃんのためにヒトデを掘り続けるだけです!」
ナイフが無くなっちゃいましたけど、と付け足して自分の支給品のスペツナズナイフの残った柄の部分を見せる。

「馬鹿馬鹿しい……付き合ってられないわ………」
そう言って友里は風子と別れた。
――木彫りのヒトデは強引に貰わされたが…………

「――まずは人が集まりそうな場所……鎌石村あたりへ行こうかしら…………?」




 【場所:B−02】
 【時間:午後5時】

 名倉友里
 【所持品:木彫りのヒトデ、支給品一式】
 【状態:右肩負傷(軽傷、止血済み)。マーダー(積極的)】

 伊吹風子
 【所持品:スペツナズナイフの柄、支給品一式】
 【状態:健康。ゲームに乗る気もゲームを止める気もない(理解しきっていない?)】
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