なにがなんだかver.ハカロワ3




芳野祐介は溜息をついた。
傍らで眠る少女、長森瑞佳をなだめるのには、意外と手こずり時間もかかった。
そして、この始末である。

「・・・すぅ・・・すぅ・・・」

叩き起こす、かついで氷川村まで移動する、放っておく。
選択肢はいくつもあるが、祐介はそれを選ばなかった。
隠れられるだろう茂みに入り、瑞佳を横たえると自分はその隣で周りを警戒する。

「たっく、いつになったら氷川村に行けるんやら」

まぁ、仕方ないか、という諦めにも似た思い。
ちらっと盗み見る。
もぞもぞと体を丸くしてる瑞佳、まだまだ可愛い年頃だ。

「・・・風子よりちょっと上、くらいだよな」

その時、彼女の抱えるデイバックも目に入る。
彼女の支給品・・・祐介は、それに目をつけた。

(悪いけど、いい物だったら頂戴するか)

丸くなっている体を押しのけ、鞄を取り出す。
気づかれぬよう素早く開ける、彼女の支給品は・・・


「・・・・・これは・・・」

制服。見覚えのあるファミレスか何かのものだ。
薄い緑色の、肩が出るタイプ。
まるで水着、長いパレオが特徴の涼しげなタイプ。
ブロンズパロットのような作り、赤と白のコントラストが可愛いタイプ。
それぞれ「フローラルミントタイプ」「トロピカルタイプ」「ぱろぱろタイプ」という札がついている。
瑞佳の鞄には、この3着が無理やりギュッギュッと押し込まれていた。

「何だ、一体・・・」

そして、一枚の紙。説明書。

『防弾チョッキ(某ファミレス仕様)』

頭が痛かった。
そんな混乱状態の中、気づいたらなぜか・・・

「いや、着ないから。着るぐらいなら蜂の巣になるから。
っていうか露出多くて弾から守ってくれないから」




芳野祐介(118)』
【時間:1日目午後5時50分】
【場所:H−08】
【所持品:Desart Eagle 50AE(銃弾数4/7)・サバイバルナイフ・支給品一式】
【状態:氷川村へ向かおうとしているものの、足止め中】

長森瑞佳(074)』
【時間:1日目午後5時50分】
【場所:H−08】
【所持品:防弾チョッキ(某ファミレス仕様)×3・支給品一式】
【状態:熟睡】
-


BACK