小っちゃいってことは便利だねっ




「うわー、ここの学校木造なんですかぁ〜」
校舎に感銘を受けながら鎌石中学校の昇降口を通り抜ける。
「さてと、ここに何か着れるものがあればいいんですけどぉ、いつまでもこのままっていうわけにはいけませんし」

あれから由依は遅い食事をとりつつ、ある意味郁未さんより大胆(由依談)になってしまった恰好をどうしようかと悩んでいた。
リュックを開けてみたが、支給品は衣類ではなく、普通のカメラ付き携帯電話。
誰か来てくれないかと思ったが、今の状態ではそれは自殺行為ということに気付き、断念。
結局リュックで自分のさらけ出された肌を隠しながら、衣類を求めて探し歩いていたのだった。

「それにしても、この携帯なんなんでしょうか。アンテナ三本立っているのにどこにも通じませんし…って、あ!」
昇降口を曲がったところに、この学校のものだろうか男女の制服が展示ケースに飾られている。
「わぁ〜この制服かわいい」
黒い色を主体に周りが赤いラインのブレザーにピンクのリボン。グレーのチェックのスカートに黒のソックス。
中学からずっとセーラー服だった由依にとってはこの女性用の制服全てが新鮮に映っていた。
「ちょっと着てみたいです。でも中学校の制服ってあたし着れるでしょうか…胸とか」


数分後、由依は望み通りに真新しい制服を着ることができ、ひとまずは恥ずかしい恰好から逃れることができた。
ただその表情はなぜか落ち込んでいた。




【時間:1日目午後4時00分頃】
【場所:D−06:鎌石中学校内】
 名倉由依
 【所持品:鎌石中学校制服(リトルバスターズの西園美魚風)、
       カメラ付き携帯電話(バッテリー完全:備考参照)、
       荷物一式、破けた由依の制服】
 【状態:体中浅い切り傷と擦り傷、少々落ち込み気味。】
 
 【備考:No.119:策略 対 一念の続き
     携帯電話はNo.13の物とは違う普通の次世代携帯電話。
     沖木島内でしか通話及びネットができないが、電話番号、アドレスさえわかれば、
     沖木島中の全ての電話及びネット等につなげることが可能。なお、かかってくる電話は全て番号が通知される】
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