っつーかいい加減にしてくれ。 俺が何か悪いことでもしたってーのか? いや、そんなもん星の数ほどしてきたけどよ。 だからってこの仕打ちはねーだろうよ。 まだ銃で撃たれて死に掛けって方がハクもつくってもんだ。 いやそれもまっぴら御免だな、この方がましか……だからそうじゃねぇ、あぁもう頭がいてぇ。 ただただ愚痴しか出てこない。 それもそのはず――とにかくぴこぴこうるさい宇宙外生命体ピコ(仮)を振り切ろうと必死に山の中へ逃げたものの 何を勘違いしてくれるのか嬉しそうについてきやがる。 3時間近く走り回っているのにも関らず、突き放すどころかもはや自分の体力が先に尽き先導される始末。 人間様のプライドもあったもんじゃない。 「あぁなんでこんなクソ畜生のケツ見ながら歩かなきゃないけねーんだよ。 もう日も暮れかけてきたじゃ……うぉぉぉ!!!???」 呟きながら紅く染まりかけた空を見上げようとしたその時、訳もわからぬうちに景色がぐるりと半回転した。 気付けば右足を取られ宙吊りになっている高槻。 「なんだなんだ!?おい、だから踊るな!!」 右足にロープが括り付けられ、木に逆さに吊るされた状態で大きく揺れる高槻の下で、ピコ(仮)は嬉しそうに踊る。 「うっわ、明らかに当たりねこりゃ」 ガサッと茂みがざわめいたかと思うと、出てきたのはさっきの郁乃だか七美だか言うガキに負けるとも劣らぬチビガキ。 こいつの仕業か?くそ。 「わけのわかんねーこと言ってねーで早くおろせよクソガキ!」 高槻の言葉に反応し、キッと睨みつけるとマナは持っていたワルサーP38の銃身を鼻先に突きつける。 「げっ」 「あんたそれが人に物を頼む時の言葉?いいから黙んなさい」 頼んでんじゃねーよ、命令してんだよ。んな事を言えるわけもねぇけどな。 ダメだ厄日だ。 今日の運勢は絶対『知らない子供には気をつけましょう』って感じのが出てるにちがいねぇ。 トホホ……。 高槻 【時間:1日目17:30頃】 【場所:F-07西】 【持ち物:ポテト、他支給品一式】 【状況:宙吊り】 観月マナ(102) 【時間:1日目17:30頃】 【場所:F-07西】 【所持品:ワルサー P38・支給品一式】 【状態:普通】 【備考:周辺にはマナが仕掛けたと思われるトラップ多数】 - BACK