「まったく…観鈴たちは本当にどこにいるんだ?」 国崎往人はあれから知人たちを探し続けていたが、それらしき人とはまったく遭遇しなかった。 ―――というより、人影すら見つけることができなかったというのが正しかった。 「暗くなってきたからみんな建物とかに身を隠しちまったのか? ――くそっ。しかし、今日は本当にろくなことがない! 目が覚めたら変なウサギに殺人ゲームをしろと言われるわ、 出会った奴らにはバッグを投げ付けられるわ、逃げられるわ、銃を向けられるわ、挙げ句の果てには外見だけで殺人鬼扱いだ! いったい俺の目のどこが………………ん?」 愚痴を吐きまくりながら歩き続けていると、前方に自分と同年代の青年が倒れているのを発見した。 (死体か?) そう思って近づいてみると、青年はまだ息があり特に外傷はなかった。どうやら気絶しているだけのようだ。 「………せっかくだから、使えそうなものがあったらもらっていくか」 そうと決まればと往人は青年の近くに転がっていた彼のバッグを手に取り開帳する。 「これは………弾倉か? 銃は…………さすがにないか。 こいつをのした奴が持ってったのか?」 まあ、あれば何か役に立つかもしれないと思い、取り出した弾倉を自分のバッグに移し替える。 「――さて。こっちはどうするか……………」 次に往人は気絶している青年の方へ目をやる。 「…………とりあえず起こしてやるか」 起きろ、と言って青年の顔を2、3度べしべしと張った。 しかし、青年は「う……」と一声上げはしたが目を覚まさなかった。 「ダメだこりゃ。完全にのびてやがる………自分から目を覚ますのを待つしかねえな………」 しかし、こんな所でいつまでもつっ立っていてもこちらが危険なだけだ。 とはいえ、自分だけ逃げてこの青年を見捨てていくわけにもいかなかった。 「しかたねえ、どこか安全な所まで運ぶか……まったく、面倒臭い」 そう言って青年と彼のバッグを背負うと往人は安全な場所を求めて歩きだした。 国崎往人 【所持品:トレカフ TT30の弾倉(×2)、ラーメンセット(レトルト)、化粧品ポーチ、支給品一式(×3=往人と名雪と拓也のバッグ)】 【状態:健康。知り合いを探したいが今は安全な場所を探す】 月島拓也 【所持品:なし】 【状態:気絶中】 【場所:G−07】 【時間:午後5時15分】 【その他】 ・往人は大荷物のせいで少し足取りが遅くなっている - BACK