ことみはU-1なり、U-1はことみなり




「この薬はすばらしいの。うまく使えば優勝間違いなしなの」

 一ノ瀬ことみ(006)は、当初はゲームにのるつもりはなかった。
彼女はもともと好戦的な性格ではないし、銃などの武器の扱いにも長けてはいない。
支給されるであろう武器は当然現代科学の範囲内のものであり、
120人の中で自分が勝ち残れる確率は天文学的に低いと、聡明な彼女は考えていた。

───そう、支給品を確認するまでは。

 彼女に支給されたのは、「書き手薬」とかかれたビンに入った5錠の錠剤であった。
試しに1錠飲んでみたところ───


>あれ? じゃあうさぎさんの言ってた殺し合いも? タカくんも?
>お母さんも? タマお姉ちゃんも? ユウくんも?
>みんなみんな死んじゃうの?
>いやだよ!
>死んじゃうなんて!
>みんな死んじゃうなんて!
>みんな?
>みんな死んじゃうって事はタカくんも死んじゃうの?
>タカくんが死んじゃうの?タカくんが死んじゃうの?タカくんが死んじゃう?タカくんが死タカくんがタカくんがタカくんタカくん……


───このような錯乱する醜い文章が見えた。
この瞬間、ことみは薬の効果を理解し、このみを操り自殺に追い込んだのである。
しかし問題があった。薬の持続時間は短いこと、そして数が少ないことである。

「残り4錠、有効に使わなくてはいけないの。」

 彼女はもう1錠薬を飲み、過去ログを速読した。
何をするにしても、状況を完全に把握することが最も重要であるからだ。そして───

>「わ、ワープだと……くっ! 味な真似を!!」

>【状態:唯一者モード(髪の色は銀。目の色は紫。物凄い美少年)】
 エク ・ ス ・ ヒューム ・ ド
>地水火風冷雷闇光滅撃
 イベント ・ ホライズン
>事 象 深 淵

「これなの。かっこよすぎるの」
彼女は自身に追加設定を大幅に加え、能力を増強した。

なまえ     一ノ瀬 ことみ
しょくぎょう  U-1
せいべつ    おんな(ただしふたなり)

ちから     無量大数
すばやさ    無量大数
みのまもり   無量大数
かしこさ    無量大数
かっこよさ   無量大数
そうび    E ことみの剣(功+無量大数、無属性をもちあらゆる結界の類を無効化する、状況により銃に変化)
       E ことみの鎧(防+無量大数、防弾仕様、あらゆる攻撃魔法を反射する)

びこう    古今東西のあらゆる武術、剣術、銃火器類の扱いに長ける
       あらゆる属性の攻撃魔法及び回復、補助魔法を習得済み
       光速で飛行可能
       体の一部でも残っていればそこから再生する

「完璧なの」




一ノ瀬ことみ
 【時間:午後2時ごろ】
 【場所:沖木島上空】
 【持ち物:書き手薬×3、ことみの剣、ことみの鎧、デイバッグ】
 【状況:U-1化、ゲームにのる】
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