少女、二人




取り敢えずの和解を成立させた坂上智代(046)と里村茜(050)は、協力してくれる仲間を探すため、次はどこへ向かうかを相談していた。
「さて、このスタート地点からは大きく分けて二つのルートがあるわけだが」
智代は指で鎌石村と平瀬村を指した。
「人が集まりそうなのは、この二つ。茜、どちらに行くのがいいと思う」
「近いのは鎌石村の方ですが…今から行くには、少し早いような気もします。まだ始まったばかりですし、ゲームに乗るか乗らないかで混乱している人も大勢いると思います。
早いうちから村に集まるとは、到底思えません」
智代が、うん、と頷き顎に手を当てた。
「確かにその可能性は高いな。逆に言えば早く判断を下した奴が来ている事になる。そして、そいつらがゲームに乗った奴らの可能性も高い」
「…普通、こんなものを付けられて脱出できるなんて思う人間はいませんからね」
茜は首の忌々しい爆弾をさする。茜も先程まではそちら側の人間だった。
「なら、こっちの平瀬村へ向かおうか。日が暮れるまでには辿りつきたい。日が暮れれば、襲われやすくもなるからな。正直、今の装備では心許ない」
「…ですね。早く行きましょう」
二人はそう結論付けると、平瀬村の方角へ向けて歩き出した。
その時。
グアァァァン!
空気が震え、耳をつんざくような爆音が聞こえた。
「!? な、何だ! 今の音は?」
「…鎌石村の方角のようですね」


智代は焦った。もう、こんなところでも戦闘が行われているのだろうか。
「…行くぞ、茜」
「…分かりました。しかし智代、恐らく相手は爆発物を持っているはずです。どうするのですか?」
「いや、逆に密着状態に持ちこめば相手も手出しは出来ない。
まだこんな時間だ、敵も支給された武器以外、もう一種類持っている可能性は少ない。白兵戦なら、私は得意なのでな」
自信ありげに笑みをみせる智代。茜もコクリと頷いた。
「分かりました、信じます」
少女二人は走り出す。犠牲者が出ない事を祈って。




坂上智代
【時間:午後1時】
【場所:B−2】
【持ち物:手斧】
【状態:健康、爆発音のところまで向かう】

里村茜
【時間:午後1時】
【場所:B−2】
【持ち物:フォーク】
【状態:健康、爆発音のところまで向かう】

【備考:爆発音は097話のもの。B−2ルートで】
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