「広瀬、オレの携帯に…お前の携帯の番号を送ってくれ。」 携帯電話を取り出し、真面目な顔でそう切り出したのは割烹着姿の北川潤(30番)かなりマヌケな姿だ…。 「だから、番号を教えても、携帯は繋がらないんだって…。」 何度言えばわかるのとでも言いたげに広瀬(勿論割烹着)は携帯電話の番号を【赤外線受信】で北川の携帯に送る。 広瀬のデータが送られたのを確認すると、次は自分のメールを送る作業をする。 「音量と振動が出ないように確認しといてくれよ。」 解ってると言いつつ手を上げる広瀬、北川からデーターが送られてきた合図だ…。 「…うら若き男女が互いに番号のやり取り……ぽっ」 顔を赤らめ手を親え一連のやり取りに割ってはいるのは69遠野美凪タマネギハンバーグが出来たのか、備え付けのタッパに入れている最中である。 「…絶対違うわよ。」 否定の意思を見せる広瀬…肩を落とし、しかも落ち込んだ声で…。 「なるほどっと。」 参加者名簿の裏に書き込む北川、色々書き込んでるらしく興味心身に広瀬と美凪は紙の中身を見つめる。 ―――現在のまとめ ――― ・ゲームの最初の説明で、外すと爆発する首輪(首輪に細工?) ・ 、、 島の外に出ると爆破(遠隔操作?) ・ 、、 連続して24時間誰も死ななかったとき(殺されるとタイマーリセット?) ・ワケの解らないトンデモ能力は制御(首輪の力?遠隔操作?) ・鎌石村役場【C-3】より出発 ・携帯電話通じない ・鎌石郵便局の電話回線が切れている(電話線そのもの) ・道中の民家、電話回線―――× ・広瀬の電話―――通じず ・鎌石の消防署・・× ・広瀬の携帯―――通じ× ・赤外線―――OK 後になるにつれ雑に書き込んである潤の文面、 「…?」 それを見たの美凪が普段はおっとりしているはずなのだが食い入るように聞く。 「…。」 続いて真希まで…。 ―――[適当に相槌を打ってください、喋らずに]――― とペンで書き込む北川―――二人を見る目は真剣になってた。 【これは今までの行動で判断した結果です…憶測なので勘弁してください】 食い入るように見る二人 【家庭用の電話回線は島全体が『切られてる』可能性があります】 【しかし、今のところオレと広瀬の携帯は『通ながらない』だけです…多分妨害電波みたいなモン】 「「…!!」」 声に為らない声をハモる美凪と広瀬。 【話を変えます、あなたがこのゲームを仕掛けた連中なら、爆弾&能力制限&発信機(憶測)だけで安心しますか?】 【参加者連中がモニターの地図上に映った、発信源(俺たち)を見ているだけで安心できますか?】 【答えはNO、つまり盗聴をされている可能性があります】 「ちょ…ちょっと…!!」 広瀬が焦った口調で話しかける、しかし北川は気にせず書き込む。 【盗撮の可能性もありますが、この首輪についている可能性は限りなく低いでしょう】 【何故なら動画は、連中が目で見る情報量多すぎて次第に疲れ判断が鈍るが関の山でしょう…。】 【そのため、盗聴のほうが銃声なり悲鳴を聞き取り、リアルで連中が判断できます】 【(もちろん、森の中や町の中はカメラがあるかもしれません。)】 そこまで北川が書き込んだ時点で広瀬が北川の紙に寄せ書きする、 【じゃあどうしろと言うのよ!!て言うかなんで丁寧語!?】 憶測の段階だが信憑性のある北川の文をみて思わず書き込む真希、もちろん突っ込みありで…。 【どうにもできない、オレにはメカニックの知識も乏しければ、現状を奪回出来る力もありませんのであしからず】 身も蓋も無い書き方をする北川 【…でも、何か考えがあるようで】 そう書き込むのは遠野、今までのが茶番なら北川がこんな事を書き込むはずが無いからだ…。 ようやく本題が書き込めるとペンを走らせるのが早くなる北川 ―――憶測――― ・以上のことから、島中は主催者の監視下に置かれている ・妨害電波で携帯電話は繋がらない ・特殊電波で島中が首輪爆弾のフィールドに包まれてる ・ヘンな能力持ちが、首輪or能力でフィールドで使えなくなってる ―――憶測からの推測(もはや役に立たない)――― ・つまり、首輪爆弾、特殊な回線or強力なフィールドをなんとかすれば、現状を打開できる…。 ・なんとかしたとしても、ゲームに乗り気の【能力持ち】や【主催者】が気づくとNG ・て言うかそんな都合よく物事は運びません…。 【それに機械に詳しい参加者がいたのならば現状を打開するため行動してるでしょう。】 「…少しでも期待したアタシが馬鹿ね…北川、アンタ一度フル○ン割烹着の刑になりなさい。」 「…ぽっ。」 呆れて冗談しか言えない広瀬、何処まで本当か解らない美凪、二人の行動を予測してか最後の書き込みに筆をとる。 ・もし、あなたが今まですがっていた希望が夢でしか無いと解ればどうしますか? ・それが何人(俺たち3人以上)もの人が集まってたらどうなりますか…? ・今まで抑えてきた気持ちが…。 北川はここでペンを止める、書いていて嫌になってるのが解ったからだ、そして二人に顔を向けて重い口を開く。 「別に、二人を困らそうと思ったわけじゃない…ただ。」 北川の舌があまり動いてないのが解る、次の台詞を言ってほしいのだ 「偏った考え方や軽はずみな行動をとるなってことでしょ…。」 「では…どうすればいいのですか」 広瀬と美凪が交互に口を挟む、北川の書き込みは何の解決にもなってないからだ 「このゲームオレ達を含めて乗り気の奴は少ないはずだ、…でも、広瀬の言った通り根拠も無いのに偏った考え方や軽はずみな行動をとる奴が出てくる。」 あさっての方向を見ながら喋り始める北川、まるで自分に言い聞かせてるようだ…。 「オレの知り合いも参加してる…しかも本当に信用できるかと言えばウソになる」 相沢や水瀬、美坂や妹の顔を思い浮かべる北川、今現在連中がゲームに乗り気じゃなくても、まともだと言い切れる判断材料が無いのだ。 「遠野の探している、みちるって子は出来るかぎりのことはする…でも」 「…今はその時では無いと言いたい訳ですね。」 一見無責任な台詞を話してるように見える北川だが、闇雲に行動をしても意味がないと言いたいのだと感じた遠野 「これでこの話は終わりっ。」 切りのいい声を張り一連の話と気分を切り替える北川、ネガティブな考えを切り替えたいからだった。 「…何の解決にもなってないんですけどね、…しょぼ〜ん」 元も子もない台詞を喋る美凪、 「本っ当〜に解決してないわね…で、今後のプランは?」 やれやれと頭を抱える広瀬しかし北川には何か考えがまだあると踏んでいる。 「とり合えず荷物を纏めてここを出る、もう少し北へ誰にも気づかれないように…。」 (もう少ししたら放送が流れる…そこが判断の付け所だな…。) 「…ところでこの割烹着、着てないとだめ?」 北川は自分の割烹着姿を鏡で見てなんだか情けない姿だと思いつつ広瀬に意見してみる。 「嫌ならいいのよ、裸割烹着で島中ブラリな旅なんだから♪」 「…ブラリな旅の北川さんの道中を祝って【お米券】進呈♪」 北川は、嫌な旅だ…と言うか何で二人とも乗り気なんだと思い、それが悔しかったのか 美凪からもらった二枚目の【お米券】を握り締め、言っては為らないことを事を口走ってしまう。 「それなら、二人が裸割ぽ…。」 ―――スパーン!――― ヨコシマな北川の意見に広瀬のスリッパがクリーンヒット!! 「…切れ味抜群な広瀬さんに【お米券】進呈。」 北川が最後まで言い終わる前に行動を起こす広瀬、すかさず美凪が【お米券】…北川は頭を抑えてる。 「…痛っ〜ぜ…全国の純正マキマキ&ナギーファンにサービスは考えてないのかぁぁぁ!!」 血走った目で抗議する北川、しかし追い討ちを掛けるが如く ―――スパーン!!――― 「アンタがファンサービスしなさい!全国のお茶の間のお兄さま&お姉さまにモテモテよ。」 「するか〜っ!!てかオレにファンなんて居るのかぁぁ!」 支離滅裂な絶叫をする北川、真希の二度目のスリッパ攻撃で軽く頭にキているらしい。 「…とりあえず、次の放送が勝負の分かれ目だ…いま下手に騒ぎ立てるのは得策じゃない、行くぞ。」 「最後だけかっこよく閉めるなぁ。」 ―――スパーン!!!――― 三回のスリッパの音と共に三人は鎌石村消防署をあとにする、誰にも気づかれず、敵は勿論見方にも…。 北川の憶測が正しければ、下手に固まるのは得策ではないからだ… 【時間:1日目正午四時半過ぎ】 B-5へ移動 【場所:鎌石村消防署】【C-5】 北川潤 (30番) 【持ち物:SPAS12ショットガン 防弾性割烹着&頭巾 水・食料、他支給品一式、携帯電話、お米券×2 】 【状況:冷静・臨機応変 】 広瀬真希 (87番) 【持ち物:消防斧、防弾性割烹着&頭巾、水・食料、他支給品一式、携帯電話、お米券×2 和の食材セット1/2】 【状況:周囲警戒 】 遠野美凪 (69番) 持ち物:消防署にあった包丁、防弾性割烹着&頭巾 水・食料、他支給品一式、お米券数十枚 タッパ(玉ねぎハンバーグ)】 【状況:順応、タマネギハンバーグ完成】 【その他】 (120)のことみの爆弾解除とは違い、首輪爆弾の盗聴はあくまで憶測の段階です(彼にどうにか出来るシロモノではないですし) 北川は鎌石村役場【C-3】より出発 美凪のたまねぎハンバーグを完成→みちる関係の書き手さん宜しく - BACK