題名:初心者にも分かる首輪の外し方 著:世界のNASTY BOY 和田のレポートを見れば簡単だ。ドライバーとニッパーがあれば事は足りる。 首輪の後背部、つまり首に当たる方に極小のネジ穴がいくつかあり、それを丁寧に外す。 すると回線の一部が出てくるので青い回線を切る。こうすることで信管蓋を開けるときにトラップに引っかからずに済む。 次にその右隣にあるネジを外し、信管を取り外す。左右にある線は切ってかまわない。 尚、黄色い線は切る、引っ張るなどしないこと。最悪爆発する。 信管を取り外した後は爆発する危険性はないので好きにしてもらって構わない。 ただし、白い線を切ると生死判定が途切れ、管理していると思われる場所に死亡判定が出てしまうので注意。 また、バッテリーを抜き取ろうとしても結果は同じになる。 よって主催側の目を欺くため、生死判定は残しておいたほうが良いと推察する。 回線そのものは手で無理矢理引き千切ることも可能ではある。 首輪そのものの材質も材質から考慮してそれほど堅くはないようだ。多分踏みつけたらポキリと折れる。 首輪を完全に外すまでの所要時間はおよそ一分ほどだと思われる。実践はしていないので若干ズレると考えられる。 手元に首輪がないため実験は出来ず。だが和田の資料の信憑性は高いため罠である可能性は低い。 万が一罠であった場合を考慮して、首輪の解除は俺が最優先で行う。 * * * 爆弾の性能メモ 大よそ半径数十メートルにわたって吹き飛ばす程度の性能になった。 とはいえ威力は保障できない。不発する可能性もあるので過信は禁物。 仕掛ける場所としては管制室、敵の司令室などが考えられる。 信管を抜いてから数秒後に爆発する。ダッシュして逃げれば直接信管を抜いても間に合う……はず。 基本的に遠くから紐等を使って引っ張る方法を推奨する。 本の通りならば木造家屋を一瞬で吹き飛ばせる。多分コンクリも吹き飛ぶ。 崩落に注意。 結構重い。台車に乗せて運ぶことを勧める。その場合護衛が何人か必要である事を言っておく。 あんまり衝撃を与えても爆発するかも。取り扱い注意。 だからなるべく平坦な道を移動させたほうがいいかも…… * * * クソロボットのレポート 銃弾が効かん 生身? の部分には効くんじゃね? 無茶苦茶早い 神神うるさい 装備は確か刃物、P−90、それとフラッシュバンらしきものが。俺らより装備は豪華なようだ 学習能力があるらしく攻撃を見切られたことがあった とまあ、こういう特徴があったので対応策として、まず一対一にさせないことが考えられる 悔しいがあのクソロボの実力は参加者の誰よりも強いだろう。装備も相手が勝っている以上正面からの殴り合いは死ぬ 常に弾幕を撒きつつどうにか動力源を一発で壊せればいいんだが それが可能な武器はグレランかロケランくらいだろう。着ている修道服は防弾・防爆効果があると見ている 囲んで白兵戦に持ち込むのも、危険だがありかもしれん 逃げられないと考えた方がいい。とにかくしつこかった 最悪でも二人、欲を言えば四人は戦う人数が欲しい。俺とゆめみじゃ全く歯が立たなかった ここには十五人いるから四つくらいのパーティに分けることを提案する。つか却下させない 装備は念入りにしといたほうがいい。狙撃も考えられるかもしれん ロボットだから目視で数キロは届くんじゃないか? 熱感知しているかもしれない(正確に射撃してきたから) 武器を渡すと危険かもしれない。あらゆる武器の用法を叩き込まれている可能性がある メインコンピュータを壊せば戦闘不能にはさせられるかもしれない。そこがどこかはわからん とにかく出会ったら遠慮なく叩き壊してしまうことが一番だろ 相手は人間じゃないしな 疲れた * * * 侵入路について →これまでの情報を総合するといくつか搬出路を含む出入り口があると見られる。 そこが本当に主催側の中枢部に繋がっているか、という疑問があるが、袋小路である可能性は低いと思われる。 ∵地下に建造物があるとした場合、脱出路を複数確保しておかないと緊急時の脱出が困難になるため。 またそれぞれが独立していると参加者に占拠される確率が高くなるため。 すぐに救援に行けるように、それぞれの通路は繋がっていると判断できる。 →入り口はどの程度の間隔であるかということについては、一ノ瀬ことみの考察より数百m間隔であると考えられる。 入り口には警戒網もあると考えられるので、首輪を外した後に一斉に潜入という方法が望ましい。 また、中枢部、管制室、脱出路などを確保する必要がある。 ∵先にサリンジャーに逃げられてしまえば足がなくなる可能性があるため。 当然向こう側としては脱出の際証拠隠滅を図ってくるため通信設備も破壊される可能性がある。 通信部はなるべく最優先で確保したい。 →地下設備の場合ヘリではなく潜水艦や船舶での脱出を取ることが多い。 最下層部分に置かれているだろう。見張りもいるはずなので戦闘が予想される。 速攻できるメンバーが望ましい。ただし中枢部を最速で確保すればその限りではないかもしれない。 何にしろスピードが勝負だ。設備も装備も向こう側が上であるため、奇襲するしか勝負の方法がない。 →救援を求められるならば、日本政府かアメリカ政府への連絡が望ましい。 私か宗一の名前を出せば大抵は信じてもらえるだろう。万が一私も宗一も身動きが取れなかった場合、 判断は各人に任せる。 →道中にある兵器類は破壊できるならば破壊しておくことが望ましい。 ∵もしも制圧に遅れた場合連中が持ち出してくるため。 火力勝負になってしまえば勝ち目がない。破壊できなければ諦める。 使えるならば使ってもいいのかもしれないが、暴発暴走の危険性があるため、 無視すること。判断を周囲に仰ぐのがよい。素人が兵器を扱えるものではないことを心に留めておく。 →連絡はこまめに取り合いたい。が、無線機がないような状況なので期待はしない。 代わりにチームメンバーでの連絡を密にすること。 はぐれたところを狙い撃ちにされる。 敵は島にいた参加者よりも遥かに強大であることを覚えておくこと。 追記:各種レポートを総合しての作戦立案 四チームを編成し、爆弾運搬班、中枢部制圧班、通信設備確保班、破壊工作班に分ける。 侵入は別々の場所から同時に行い、突入前に首輪を解除するものとする。 メンバーは後で決める。ただし各チームの戦力がなるべく均等になるように配慮はする。 作戦実行はサリンジャーの指定した時間の一時間前。こちらから先手を仕掛ける。 後手に回ると圧倒的な戦力差で叩き潰されてしまうからだ。とにかく速戦即決しかない。 最後に一つ。 生きて、このミッションを完遂させましょう。 【時間:3日目午前07時00分ごろ】 【場所:D−6 鎌石小中学校】 - BACK