実はXランク




「さあ、やろうか」

 うろたえる超先生へ不敵な笑みを向ける祐一。

「わ、ワープだと……くっ! 味な真似を!!」

 だが、さすがは超先生。一拍で息を整えて周囲の側近に目配せする。
 その内の一人が獰猛な笑みを浮かべて前に出た。
 帝王拳の使い手―――春日諒だ。
 戦闘狂の彼にとって、祐一は格好の獲物だ。

「俺のなま―――」
「おせえよ」
「ぐばっ!!!!!」

 彼の前振りなど意にも返さない祐一は、諒の背後へ唐突に現れて手刀で心臓を貫いた。
 一瞬で事切れた諒を放り投げ、超先生に向き直る。

「さあ、次はどいつだ? こっちは十分の一の力さえ出しちゃいないぜ?」

 あ、ありえん……。
 側近の一人―――滝沢諒助は脳内で呟く。
 なんなのだ。奴の戦闘力は。
 諒は戦闘力Sランクの強者だぞ。それを、一瞬で一蹴させるとは。

 ―――只者ではない!!

 だが、それ以上に不可解なことがある。

「お前は確か戦闘力Eの最低ランクだったはずだぁ!!」

 そうだ! 奴はEランクの雑魚だったはず。
 ならば、この現実も夢か幻覚の類で間違いない! きっとそうに違いない!!
 
 
 現実逃避する諒助の傍ら、祐一は再び事も無げに答えた。



「そういやめんどくせぇから、六歳にランク取って以来更新してないな」




『相沢祐一(001)』
【時間:一日目12:01分頃】
【場所:コントロールルーム】
【持ち物:世界そのもの。また彼自身も一つの世界である】
【状態:唯一者モード(髪の色は銀。目の色は紫。物凄い美少年)】


 側近A(春日諒) 【ひとまず死亡】
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