ある意味最強の武器?




「はあ……、殺し合いなんて本気でやる馬鹿なんているのかしら」
 昨日まで平穏(?)な寮母生活を営んでいた相楽美佐枝(047)は木陰に腰を下ろし呟いた。
 彼女のスタート地点はG−04、自分以外にこの周囲に十一人いるらしい。
「あたしに支給された武器って何だったっけ……」
 ゲーム開始で支給されたデイパック、あの変なウサギ曰く、
 食料、水、コンパス、地図、筆記用具、懐中電灯、参加者名簿
 そして――何らかの武器と言った。

「あたしゃ人殺しなんてしたくないわよ――ん? 何これ?」
 デイバックの中身を漁ると何やら長方形の物体が姿を現した。
「これってPDA?」
 銃じゃなくて少し安心、
 とりあえず手に取ったPDA端末らしき物体の電源を入れてみた。
 ピッ

 Guadalcanal ver.X

 英字が浮かび上がり立ち上がる端末機。
 画面が切り替わるとディスプレイに地図が表示された。
 さらに地図上に無数の光点が浮かび上がった。
「もしかして……いわゆる探知機ってやつ?」
 とりあえず色々といじってみる。
 美佐枝は自分の周囲に存在している光点の一つに指を触れた。
 ピッ

 (045)小牧愛佳


 光点に触れると画面が切り替わり一人の少女の名前と顔写真、簡単なプロフィールが表示された。
「こんな娘まで……一体何が目的なのよあのウサギは……」
 ピコーン
「!?」
 その時今までとは違う音がして端末に変化が訪れた。
 小牧愛佳の顔写真が突然モノクロに変わる。
 そしてプロフィールの下に赤い文字で、
 死亡と。
「嘘……でしょ」
 参加者名簿を閉じ、地図を呼び出し、小牧愛佳の光点に重なるように表示された光点に触れる。

 (039)向坂環

 プロフィールの下に表示された文字に驚愕する。
 殺害数1

「本当に殺すなんて……しかもこの娘、自分の学校の後輩を……ッ」
 さらにこの殺人者は自分の方角に向かって歩いてきている。
 まずい、ここから離れないと。
 美佐枝は荷物をまとめて急いでその場を立ち去った。

(この探知機……所有者があたしで良かったわ
 もし彼女のような殺し合いに乗った人の手に渡ったら大変なことになるわね……)




047番 相楽美佐枝
【時間:一日目正午ごろ】
【場所:G−04】
【持ち物:ガダルカナル探知機】
【状況:環から逃げる。どこに行くかは次の書き手にお任せ】
【その他:美佐枝編1話 このみとくっつくなら〜>>12-14の続き】
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